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烏養「それじゃ午前練ラストサーブ!」
「「うす!」」
メンバーがサーブをするコートの外では練習を一足先に終えたAがストレッチをしながらその姿に目を向けていた。
武田「黛さんから見てあの子らの実力はどうです?」
『わっ、いって』
突然隣から声を掛けられたので驚いて前屈しすぎた。
『うーん、正直まだスタミナとかパワーが足りないんでもっと飯食わせたほうがいいですよ。特に一年!』
武田「一年生?」
『あんなヒョロイ体じゃフルセット持つかどうか。...でも』
武田「!でも?」
言葉は続く。
『このチームは、いつかきっと強くなる。全国にだって匹敵するくらいに。でもまぁそれがいつになるかは分からないですけどね〜』
武田「!」
武田に笑みが溢れていた。
影山「A!俺のトス打ってくれ!」
『え?けど今練習終わったばっかじゃん』
影山「少しでいいから。頼む!」
『でも私ストレッチしちゃったからなぁ...』
影山「...分かった」
『なんて嘘嘘!!私も打ち足りなかったところだしトス打たせてもらうよ!』
影山「!本当か?」
『おう!何十球でもいいぞ!』
影山「よっしゃ!なら早速やろーぜ!」
Aはピョンっと立ち上がると影山の後を追いかけた。
武田「(本当にバレーが好きなんだなぁ)」
その後の二人の練習は言うまでもなく烏養コーチにより止められた。
烏養「お前ら飯を食え!!」
その日の夜
『翔陽風呂行くぞ〜』
翔陽「...」
風呂セットを抱え広間に行くと何やら端っこで正座をしている日向がいた。
『翔陽?』
日向「あ、A」
『何して、ってそれ配られたユニフォーム?』
日向「おう」
近くに寄ってみれば日向の視線は10と書かれた新しいユニフォームに向いていた。
『かっこいいよなその色』
日向「この番号、昔小さな巨人が付けてたやつなんだって」
『へえ!運命的だね』
日向「影山には一桁で負けたけどプレーでは負けねぇ。俺は絶対、小さな巨人みたいに飛ぶんだ!」
『そっか』
日向の眼差しに何とも言えない気迫を感じた。
『翔陽は...うん。そうなんだな』
翔陽「えっ?」
『てか早く風呂!眠くなる』
翔陽「いやちょっと待て!今なんて言ったんだよ?そうなんだなってなに!?」
『別になんもない』
翔陽「なんでもなくねえ!もう一回!」
『忘れた』
翔陽「嘘つくな!」
『いつかな』
そう。いつか分かるよ。
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Sum(プロフ) - 綺羅さん» ただの趣味です笑でも、そう言っていただけて嬉しいです! (2016年10月23日 16時) (レス) id: 3e3b403e1f (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 絵が上手いですね〜! (2016年10月23日 10時) (レス) id: ba54971924 (このIDを非表示/違反報告)
Sum(プロフ) - 黒幕★さん» 返信遅くなり申し訳ありません!応援ありがとうございます!! (2016年9月11日 23時) (レス) id: 3e3b403e1f (このIDを非表示/違反報告)
黒幕★(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください、応援してます!!^_^ (2016年8月24日 13時) (レス) id: 05b134d5fb (このIDを非表示/違反報告)
マナ - そうなんですか?すごいですね!さっき全部読んだんですが、とても面白くって、続きめっちゃ気になります。更新楽しみにしてます (2016年8月12日 20時) (レス) id: 4348a70c30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sum | 作成日時:2016年6月26日 10時