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結局、引っ張られるがままAは牛島の家に連れ戻された。




牛島「ただいま」

母「あらお帰り若利。Aちゃん」

『...こんばんは』

牛島「母さん、少し話があるんだが良いか?」

母「え?えぇ。別に構わないわよ」

牛島「ありがとう。A、手紙を出せ」

『...やだ』

牛島「A」

『〜っ』




こんなに追い詰められたのはいつぶりだろう。普段ど天然だから忘れていた。




牛島「母さんこれを見てくれ」

母「なぁに?」




牛島はAが持っていた合宿案内の手紙を差し出す。




母「合宿かぁ〜。Aちゃん予定は大丈夫なの?」

『...はい』

母「て事は参加するのね?」

『...』

牛島「その事なんだが、一番下の欄を見てくれ。保護者名の隣だ」

母「!」




牛島が指をさした場所に目を移した母は一瞬固まった。




牛島「合宿に参加するには2万円の費用が必要らしいんだ」

母「2万円ねぇ...」

牛島「ウチで出して貰えないか?」

母「え?」




母の言葉が途切れる。




牛島「無理か?」

母「いや、別に無理じゃないけど...」

『...いいです。私が自分で払いますから』

母「え?」




俯いていたAが小さく声を振り絞る。




『普段の生活ですらお世話になってるのにお金まで出させるなんて、これ以上迷惑かけれませんから』

母「...」

『若利、カード返して。早く行かなきゃ銀行しまっちゃうから』




Aは牛島に手を差し出し渡せと合図を出す。しかし




母「若利、そのカードお母さんに頂戴」

『え?』

牛島「ん」

『ちょ、なんで渡してるの』

牛島「母さんに言われたから」

『んな事わかってんだよ』

母「Aちゃん」




カードを受け取った母は真っ直ぐAを見つめる。




母「私たちは貴方と血縁関係はないわ。だから本当の家族になる事はできない」

牛島「!」

母「でも側で支えてあげる事はできる。寄り添ってあげる事はできるの」

『...』

母「両親を亡くして一人ぼっちだって思うかもしれない。けど私たちはこの先貴方を1人にするつもりはないし放っておくつもりもない」

『おばさん...』

母「私たち一家はいつも貴方を家族のように、娘のように愛してるわよ」

『っ...!』




優しい手、声、そして笑顔を向けられたAはぐっと押し寄せる涙を必死に堪える。




牛島「これでちゃんと家族だな。A」

『うん』

牛島「よし。夕飯の準備するか」

『手伝うよ弟』

牛島「俺が下なのか?」

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Sum(プロフ) - 綺羅さん» ただの趣味です笑でも、そう言っていただけて嬉しいです! (2016年10月23日 16時) (レス) id: 3e3b403e1f (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 絵が上手いですね〜! (2016年10月23日 10時) (レス) id: ba54971924 (このIDを非表示/違反報告)
Sum(プロフ) - 黒幕★さん» 返信遅くなり申し訳ありません!応援ありがとうございます!! (2016年9月11日 23時) (レス) id: 3e3b403e1f (このIDを非表示/違反報告)
黒幕★(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください、応援してます!!^_^ (2016年8月24日 13時) (レス) id: 05b134d5fb (このIDを非表示/違反報告)
マナ - そうなんですか?すごいですね!さっき全部読んだんですが、とても面白くって、続きめっちゃ気になります。更新楽しみにしてます (2016年8月12日 20時) (レス) id: 4348a70c30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sum | 作成日時:2016年6月26日 10時

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