考えて見てくれよ【文スト】【太宰治】

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「女の人だったんですね！」

「い、いや！違う違う！！」

彼は手と頭を横に降った。

綺麗な長い髪も揺れる。

「ぼ、僕は男だ！！
この長い髪は女装する為に！！
ひ、人を見た目で判断するのを止めてくれよ！！」

「ふーん。どうして女装なんてするんだい？」

「煩いな！！」

怒った桑原さんは僕の手にあるカツラを奪う様にして取った

「あっそ、」

「[カチン！]」

太宰さんの失礼な態度に桑原さんは頭から湯気らしき物を出した。

嗚呼、申し訳ない……

国木田さんを見てる気分だ…

「て言うか、此処何処だい！？
僕帰りたいんだけど！！！」

怒った桑原さんは僕に指差してきた。

最初と比べて大分態度変わってる……

……？帰る？

「あーあ！！突然男に刺されるは、いきなり変な所に来るは、変な人に心 中誘われるは！！
厄日か！！！」

「これは君の能力じゃないの？
て、て言うか刺されたって…」

「？能力…？
何それ……」

異能力を知らない…？

桑原さんはカツラを填めて、眼鏡を上げた。

少し落ち着いたみたいだ。

「とりあえず私は帰ります。
上から受け止めてくれた事は忘れません。

ありがとうございました」

ペコリとお辞儀をし、僕達に背を向けた。

なんか、不思議な人だったな…

そんな事を思い乍、桑原さんの背を見ていた。

「待って」

「？」

いきなり桑原さんが止まった。

「……何ですか？」

否、

「私が送るよ」

「は？」

太宰さんが手を取って、止まらせていた。


「……迷惑です。止めてください。」

「えー、ヤダー」

「……」

嗚呼、また怒こらせてしまう……

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