考えて見てくれよ【文スト】【太宰治】

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駄菓子屋にて


「なぁA、これと、これとこれとこれと、...大丈夫？」

「だ、大丈夫ではないです...」

何だこの人、他の人の財布と気持ちを無視か

「ンじゃあ、これとこれ、減らして良いよ？」

「二個だけ...」

「二個も！」

乱歩さんはそう言い、レジに私を向かわせた

もう、乱暴だな...

「1590円です」

「駄菓子こんなに買ったの無いかも...」

私はそう呟き、1590円払った

ああ、お金が...

「あ、そうだ、A、お前に話すことがあるんだけど」

「何ですか？乱歩さん、僕に用ですか？」

私は駄菓子の入った袋を乱歩さんに渡し、店を出た

「僕の前では、」

「あ、そうだった」

僕、ではなく、私

この時だけ、私は、私を使えるんだった

「で、何ですか？乱歩さん」

「太宰の事なんだが、お前、女ってバレてるぞ？」

「し...知ってます...」

乱歩さんは目を開き、ジッと私を見る

「何時女ってバレるか分からないぞ？
このままじゃ！」

「はい、ですね...」

「もうこの際、女に戻れば？」

「い！嫌です！」

「何で...ああ、太宰か」

「はい...」

「僕は君の女姿が見たいなぁ」

「乱歩さんまで...」

確かに、女と、バレるかもしれない

その時は如何しよう

「身分証明書で私の性別、何にしました？」

「女」

「ちょ！
ええええええええええええ！！！？」



探偵社

「あれ？」

「如何したんですか谷崎さん」

「桑原君男だよね？」

「？其れが如何かしましたか？」

「身分証明書には女って書いてあるけど...」

「え？」

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