じゅうろく。 ページ16
*香織side
窓辺に腰かけて、ぐるりと辺りを見渡す。
相変わらず和也はモテてるようで、他クラスからも女子がわんさか来ている。
まぁ、本人にとっちゃ邪魔以外の何者でもないか。
「おっと、今日は新客が来てるよ和也。」
後ろのドアからそっとこちらを覗く眼鏡の女の子。
こっちがニコッと営業スマイルで微笑めば “ ヒッ ” と小さな声を上げ逃げていってしまった。
私ってそんなに怖いの、ねぇ悲しいんだけど。まぁいいけど。
何故かさっきの反応が気に入った為スマホを取りだし、友達にリサーチ。
えーと…確か三組だったような。
とりあえず三組の友達にlineを送信した。
コンマ一秒くらいで返されて驚いたのは置いといて。
「……へぇ。意外なモンに目付けちゃったかもね。」
返事を見たらニヤけが止まらなかった。
これはまた、面白いことになりそげだわ。
“ふぅ” と一息ついて自分を落ち着かせると、我が親友の元へと向かった。
「ねぇ、英太?」
「ん、どした。」
どっかりとAの席に腰を降ろすと、斜め後ろの英太に話しかける。
相変わらず本が大好きな様で、今も視線は本に向いたままだ。
「あんた。告られたこと、ある?」
“告られた” にアクセントを付け訊いてみる。何事も単刀直入に越したことはないだろう。
まぁ、この類いの話は英太が疎いもの。
案の定、本から目を離しゲホゲホと咳き込んでいる。
「ね、ねぇよ馬鹿!!」
悪いか、とでも言うように口を尖らせる英太。
「あっそ。じゃあ、したことは?」
「もっとねぇよ!!」
即答で返ってきた返事。この２つの質問で、英太が恋愛から離れた生活を送ってたのかが伺える。
「へぇ…じゃあ、好きな子とかは?」
英太の反応を見ると、挙動不審になっていた。
いるんだわ。知ってるけど。
何故だか少し心が痛んだ。
きっと、和也の恋が叶わないと知ってしまったから。
でも、嬉しいことだってある。
それはAと英太の恋が叶うこと。
なのに。
どうしようもなく、泣きたくなった。
「英太も恋してんじゃん。近寄りたくないわー。」
いつも通りを演じて、一歩離れる。
離れたのは一歩だけなのに、心だけ遠く離れていきそうで。
自分のことで頭がいっぱいで、さっきのlineの事は忘れてしまっていた。
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Amoamo(プロフ) - めちゃくちゃこの感じ好き…！更新停止なんて寂しいです、復活求む！！( ；∀；) (2017年8月16日 0時) (
レス) id: f21522e0ef (このIDを非表示/違反報告)
春 - お話の内容とても好きです!!名前変換してるんですけど何か男子らが余計可愛く見えて(黙れ)これからも頑張ってください…!! (2016年11月22日 21時) (レス) id: 65339fc5a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なっこ | 作成日時：2016年6月19日 0時
