3.甘党少女も空気ぐらい読める。 ページ4
A「ふあ……っと…?」
欠伸をしながら、机に突っ伏した状態の体を起こすと、ばさっと音を立て、毛布が床に落ちました。
不思議に思いましたが、幸いにも少女はほんわかふわふわわたがし系少女なので、きっとコウモリさんが、自分に毛布を掛けてくれたんだろうな…と、適当にほわほわ思いました。
ガタッという音が、使われていないキッチンの方から聞こえてきました。
A「うーん……おばけかなあ……?怖いなあ…」
小さくふう…っとため息を零し、恐る恐るキッチンの方へ歩みを進めました。
そこには、全然!全く!微塵も!見かけたことすらも無い、自分より、3,4歳ほど離れた女の子が、何だか訳の分からない、黄色のぐるぐる巻かれた物を、ふらいぱん?とやらでジュージューと音をたてながら焼いていました。
と、わたがし系甘党少女が、いい匂いの漂うキッチンを扉の隙間から覗いていると、ふと、相手の少女が振り返りました。
A「あわわわあ……ええっと…お姉さん、誰……?」
こういう時は、流石の甘党ふわふわ少女も、メルヘンチックな発言は出来ないようです。
相手の少女は、気まずそうに頭を掻きながら、へら…っと笑いました。
リリィ「あわ…わ、私はリリィだよ…!!さっきは助けてくれてありがとう。勝手に卵焼き作っちゃった…。ごめんね…食べる?」
小さく微笑みを浮かべ、焼いていた黄色い謎の物体をお皿に乗せて甘党少女に差し出しました。
どうやら、リリィはさっき助けたコウモリのようです。
そしてそこで、気持ち悪いほどにいいタイミングで、食いしん坊な甘党少女のお腹がぐぅ…と可愛らしい音を立てました。
A「美味しそう……これ…本当に食べてもいいの!?」
嬉しそうに目を輝かせて、食いしん坊な少女はリリィに訊ねました。
リリィ「勿論…!!あ、あんまり美味しくないかも…ご、ごめんね…っ」
あわあわと慌てた様子で言いました。
うふふ…!!と、甘党少女は大人ぶった笑い方をしました。
A「いただきまーす!」
少女は元気よくそう言って、小さなお口に卵焼き(?)とかいうものを運びました。
もぐもぐもぐもぐ……
二口目までは、何も言わず、黙々と、ただただ卵焼きを食べていました。
リリィ「おいしい…?」
不安げに訊ねるリリィに、甘党少女は、
A「おいしいよ…!!こんなの、初めて食べた!!ちょっと甘いんだね…?甘いの大好き!!」
嬉しそうな笑顔で言いました。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←2.甘党少女は納得出来ない。
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スノーだるま(プロフ) - イラストはアイビスペイントかな?ふわふわしてる感じが可愛い! (2017年9月26日 18時) (レス) id: 1023204a37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:浮遊少女*くらげ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年9月23日 15時