甘党少女には友達が3人と1匹います。 (ページ2)

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1.甘党少女は考えた。ページ2

わたがし系ふわふわ甘党少女には大切なお友達が3人と1匹いらっしゃいます。
毎日が甘いもので満たされ、とても幸せな彼女は、甘いものとお友達さえあれば、世界平和やらなにやらはどうでもいい事でした。
――
欲しいものは何でも手に入る夢のようなこの時代。
少女は一番欲しいものが手に入らなくて、とても不機嫌でした。
もやもやとした気持ちをすっぱり切り捨てるのに必要で、
他の皆は、当たり前のように''それ''を手に入れているのに、
少女には、どう頑張ったって手の届かない幻のようなものでした。

少女には、お友達が1人だっていません。

少女は、お友達を手に入れようと、うーん…と唸りながら考えました。

A「お友達を作っている皆は、どういう風に話しかけてるんだろう？どういう風に話しかけてもらっているんだろう？」

生まれつき、オッドアイの少女は、街の人々に厄災として、蔑まれ、疎ましがられ、とうとう森の奥にまで追いやられてしまい、森の出入口には結界が張られてしまいました。
少女には、自分が蔑まれる意味が、
悪魔と一緒に森の奥に閉じ込められてしまう意味が、
母も父も兄も姉も、家族の誰もが助けに来てくれない意味が、
いくら考えたって分かりませんでした。
彼女の唯一の楽しみは、毎週月曜日と金曜日に街の人たちから、『悪魔の力を抑える捧げ物』として贈られてくる食料品、日用品の山でした。食料も日用品も大切ですが、少女はそれよりも何よりもその贈り物の中にある『金平糖』と書かれた瓶に入っている小さな、星のお菓子が楽しみなのでした。