自由になったアイドル (ページ7)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:13,681 hit

IDOLー55 ページ7

「ヒーロー殺しステインが、
ただいまヒーローにより捕まった事を報告します！」

何もない朝のニュースの事のできごとだった

『…捕まった…』

他のヒーロー達は捕まってホッとしているけれど
私はステインさんが捕まってしまって、
少し悲しく思った

本当は捕まって喜ぶ筈なのに、
私は彼に一度だけ会った事があるの

ーーーそれは5日前の買い物ときだった

『……迷子になってしまった』

ホークスさんと買い物をしていたとき、
歩いているだけで、ホークスさんと私は沢山の人々に囲まれてしまった。仕方なく、二手に分かれて合流する事になった

『…どうしよう…』

辺りをキョロキョロ見渡すが、
人影や声もしない場所に来てしまった

？「こんな所で何している？」

背後から声がして、私は振り向くと
首元に赤いマフラー、目元を包帯で巻いている
低い声の男の人が立ていた

？「此処はお前が来ていい場所じゃない」

今すぐ元の場所に帰れ、と言うが
そもそも、迷子になってしまったから帰り方が分からない

？「迷子なのか？」

彼の言葉に思わず肩が揺れる
図星か、と言うように大きな溜め息をつかれてた

？「はぁ、此処を抜ければ人通りに出れる」

彼は親切に教えてくれた
私は、それに対してありがとうございますと礼をした

？「俺が怖くないのか？」

急な質問に対して、キョトンする
何故、彼を怖がる必要があるのか分からない

『えっ？怖くないでよ

だって、
親切に私に道を教えてくれたじゃないですか』

私がさも当たり前のように言い放つ
そんな返事が返ってくると思わなかった彼は

ｽﾃｲﾝ「お前は俺が誰か分かって言っているのか？

あの"ヒーロー殺しのステイン"だぞ？」

ヒーロー殺しのステイン…
知らないわけない、むしろ、凄く有名な方だ
私もホークスさんに気をつけて、と言われたから

『…知ってますよ

貴方がヒーロー殺しのステインだって事は…』

ｽﾃｲﾝ「なら、何故恐れない？」

そんな理由は、簡単ですよ

『私は自分の目で見て考えたいからですよ

確かに、テレビやネットでは、
貴方の事を悪く言うニュースばっかりです

でも、貴方は見ず知らずの私に道を教えてくれた

私を、殺そうと思えば殺せる
だけど、貴方はそうしなかった

それだけで、貴方はいい人だと私は思いました』

ｽﾃｲﾝ「おかしな奴だな」

それだけ言い残して消えてしまった

彼は理由があってヒーローを殺してると思う
また、会いたい