自由になったアイドル (ページ16)

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IDOLー64 ページ16

ホークスside

俺は急いで、紫苑がいる病院に向かっている。

あの事件のニュースで持ち切りだ。
そして、その場にいた紫苑に取材やマスコミ許可で、事務所は電話対応やらで目まぐるしい日々。

俺は大きな音をたたて、紫苑を探す。

『…ホークスさん？？』

鈴を転がした音のように、綺麗な声。

紫苑の体には所々包帯が巻かれており、白い肌には似合わない痛々しい傷だ。それを見ると、ギュッと胸が苦しめられる。

『…ごめんなさい』

弱々しい声で、それでも通る声で言う。
なんで、紫苑が謝るのか？悪いのは紫苑じゃない。

ﾎｰｸｽ「紫苑のせいじゃないよ。それに謝るのは俺の方だ。…ごめん、守るって言ったのに危険な目に合わせたッ！！」

頭を下げる、いっその事殴でほしい。大好きな女性一人守れなかった！！次にくる言葉を待つが、意外なことを言われたーー

『謝らないで下さい』

紫苑の手が俺の頬を包んで、自然と顔が上がる。
顔を上げると、今まで見た笑顔よりも自然に笑って、
カーテンから除く光が照らして、どんなに美しい景色よりも、人よりも、綺麗だ、と思ってしまう。

『こんなことに、なるなんて誰も想像できない。
だから、ホークスさんのせいじゃない。

それに、私は守られっているだけ弱くない…！
確かに凄く怖かった。足が震えて、手も震える。
それでも、私はあなたを、ホークスさんに会いたい、って思うだけで、力が湧いてきたんです！！』

ﾎｰｸｽ「えっ？」

俺の聞き間違いか？俺に会いたい想いが、力を？
急な発言に頭がフリーズする。

『ふふ、ホークスさん…。
私はホークスさんが好きです…！！私を助けてくれたヒーローがあなたで良かった。

もう一度言います、私はホークスさんが好き』

ﾎｰｸｽ「！！ダサいな、俺。先に言われちゃった…。」

正直、不安だった。彼女が俺と一緒にいることでまた危険な事件に出くわしてしまうのが。

それでも、俺に想いを伝えてくれた紫苑。
俺よりよほど強いよ。

紫苑は、俺の言葉を理解してないのか真っ赤だ。
さっきまでの堂々振りがなく、慌てている彼女は凄く可愛い。

ﾎｰｸｽ「好いとうよ、紫苑。俺にもう一度守らせて下さい、俺の彼女になってほしか」

『私は守られっているだけは嫌ですね。

ホークスさんの隣に立って、一緒に戦える彼女になりたいです！！』

彼女は本当に強い。
俺の予想斜め上行く、発言でビックリだ。

俺も、紫苑の隣に立てるくらい強くならないと。