自由になったアイドル (ページ13)

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IDOLー61 ページ13

『うっ、げほっ、はぁ』

私は口から出てきた黒い液体を吐き出し
周りを見渡した

『こ、此処は何処？』

周りには人影もなく、ただ廃れた工場がある
それよりも、敵に囲まれてしまった…！

『はっ！爆豪さん！大丈夫ですか！？』

同じようにして連れて来られた
彼の様子を見るけど、怪我はないらしい

そんなとき、低い男の人の声がした

ｵｰﾙﾌｫｰﾜﾝ「悪いね爆豪くん、Aちゃん」

爆「あ！！？」

『だ、誰！？』

この感じは先程のとは違う！
純粋な"恐怖"が私を締め付ける

ｵｰﾙﾌｫｰﾜﾝ「また、失敗したね弔。

でも、決してめげてはいけないよ。
また、やり直せばいい。こうして仲間も取り返した

この子達もね…。
君が"大切なコマ"だと考え判断したからだ。
いくらでもやり直せ。その為に僕がいるんだよ。

全ては、君の為にある」

大切なコマ…。いつもアイツに言われていた言葉
でも、アイツの言葉よりもこの人に言われた方が怖い

それよりも、動かなきゃあ…！！
あの人に、"ホークス"さんに会うために…！

そんなとき、大きな風と共にオールマイトが現れた

ｵｰﾙﾏｲﾄ「全て返してもらうぞ、オールフォーワン！」

ｵｰﾙﾌｫｰﾜﾝ「また僕を殺すか、オールマイト」

オールマイトが来た！
それだけで、私は安心してしまう

『…ま、守られているお姫様じゃないッ！』

私は、強く踏ん張りながら言い放つ

ずっと守ってもらってばっかりの私…！
あの時もそうです。私は、私は…！
あの人の、ホークスさんの隣に立ってような女性に！

『私も戦う…！！』

私は敵に対峙する
その時、眩い光が私を覆う

『…！ま、眩しい！』

光はだんだん弱くなり、私の両手にはーーー

『！！マイク…！』

あの時から二度と握らない、
と思っていたはずの"マイク"があった