第42話 ページ9
【 Aside 】
シノア「えー、優さんが救出した少女によると、どうやら吸血鬼達は原宿から1キロの表参道地下鉄跡地に潜んで、人間を飼ってる事が分かりました」
小鳥の囀りを聞きながらシノアの話を頭の中で反芻する。ふと周りを見渡してみると、与一も優も皆沈静的な面構えで話に耳を傾けていた。
シノア「吸血鬼の数は7人。我々より多いですね。なので吸血鬼が眠りについている早朝から昼にかけて奇襲攻撃を行います」
と、シノアが続けて言葉を発しようと口を開けた所で、士方が右手を挙げた。
シノア「はい、君月くん」
君月「捕らえられている民間人はどうする?人質に取られたりしないのか?」
士方は若干声を強めて言ったが、シノアはそれに臆する事なくどや顔で答えた。
シノア「そこは心配ご無用です。人質の保護はAさんにお願いしています。そりゃAさんはどっかの馬鹿よりは大層強いですから1人で吸血鬼を一掃してもらっても良いんですけど」
優「...どっかの馬鹿って完全に俺の事じゃねぇかよ」
シノアは優の言葉を軽く無視した上で一旦口を閉じ、こちらを一瞥した。その視線には何か考えがあるようにも見えたが、ここはあえて追求しないでおこう。
シノア「それでもAさんが負傷しないとは限りません。我々のスキルアップにも繋がりませんしね」
確かにその事は昨日の就寝前にシノアに耳打ちされた。優や士方と一緒に参戦出来ないのは若干の寂しいが、人質の保護も立派な役目である事には間違いない。
シノア「なので、我々は表参道地下鉄跡地に足を踏み入れたが最後Aさんと分かれます。我々の目的は7人の吸血鬼を殲滅する事、Aさんには人質の保護に行ってもらいます」
優「ちょっと待てよ!A1人だけなのかよ!」
「大丈夫だ」
シノアに掴み掛かろうとする優の肩に俺は手を置き制する。
優「大丈夫じゃねぇだろ!Aは家族だ!1人になんてできねぇ!」
「だから大丈夫だって言ってんだろ。俺が行動を起こすのはシノア達が騒ぎを起こしてからだしな。その隙に人質をこっそり保護するって魂胆だ」
シノア「そんな事考え付いていたんですか。まぁ、いつ行動起こすか、についてはAさんにお任せしますけど」
そう言ってシノアは腕を上げ地下鉄への入り口を指差した。
シノア「では行きましょうか。陣形を崩さず互いを守り、絶対はぐれないように。いいですか?」
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yuukyan(プロフ) - 早く続きが見たぁーい!!! (2020年1月21日 10時) (レス) id: b5dcd30fc2 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 速く続き (2019年5月30日 20時) (レス) id: 9b4517b80c (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグ外して下さい (2018年2月7日 7時) (レス) id: a495531ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:変なおっさん x他1人 | 作成日時:2018年2月7日 3時