【終わセラ】最年長少年は、狙われ続ける_３【男主】 (ページ13)

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第４６話ページ13

【 Aside 】

「...狭かったら言えよ？」

車が揺れる度、シノアと俺の脚が触れ合う。元々５人乗り用なのに６人も乗るとなるとお互いのスペースは限りなく狭くなってしまうのだ。

シノア「仕方ないですよ。何処かの誰かさんが確認しないのが悪いんですし」

士方「...ふん」

士方が修復した車は新宿へと俺達を運んでいく。人生初の乗車に気持ちが昂ぶるが、今から俺達は吸血鬼の殲滅に向かうのだ。甘ったるい考えは捨てろ。

＊

「...何か聞こえないか？」

爆発？剣戟の声？いや違う。もっと大きな何かがぶつかり合うような音だ。

士方「またヨハネの四騎士か？」

優「じゃあ始末するか？」

士方「だがあいつら殺しても殺しても際限ないからな。逃げ切れるなら新宿にこのまま...」

運転席に座っている士方と助手席に座っている優が、ヨハネの四騎士を斬りに行くか行かまいか話していると三葉が制止の言葉を発した。

三葉「音がするのは新宿の方だぞ」

シノア「みなさん、とりあえず臨戦態勢で。あらゆる状況に対応できるようにしてください」

士方「次の角を曲がったら新宿の防衛壁が見えるはずだ」

ハンドルを回し右折する。するとそこには目を疑ってしまうような光景が広がっていた。

...なんだあれは？

と俺は自問した。防衛壁からもくもくを立ち込める煙と火。新宿が襲われている？いや、襲っているのか？一体〝どちら〟の仕業だ？

防衛壁へと車はスピードを上げて進んで行く。俺の他の皆も何が起こっているのか分からないといった風に困惑の表情を見せた。

優「あの服...吸血鬼の...！」

優の言葉ではっと我に帰り、俺は辺りを見回した。

「...！」

鳥肌が立った。防衛壁の少し手前、煙と炎を背後にこちらを見据える存在。それは俺に〝過去〟を思い出させた。真っ赤に染まった悲しき残酷な過去だ。

「貴族だ...！」

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