またねがあれば【snr】 (ページ17)

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Aside

店に入った途端、志麻さんにこんな質問を投げかけられた。

「Aちゃんってさ……センラの元カノだよね？」

一瞬思考が止まった。
どうして志麻さんがそんなこと知ってるんだろう。
『えっ…と、どうしてそんなこと知ってるんですか…？』
私がそう言うと、彼は笑った。
し「いや、何年か前に彼女がいるみたいなこと言っとって、結局色々あって別れなきゃ行けなくなっちゃった、みたいなこと言っとったんよ…。で、その子の名前がAちゃんと一緒だった気がするから…」

別れなきゃ行けなくなった…？
単に好きな人が出来ただけではなかったのか。
ってことは、もしかして…

『ちょっとその話詳しく聞いていいですか？』

し「え、別にええけど…」

彼によると、折原先輩は私と付き合っていたことを志麻さんに自慢げに話していたらしい。

し「なんか、君を見た瞬間に恋に落ちたんだって。社員たちに対して笑顔で挨拶してる君を見て、もっと他の表情(かお)がみたくなったって言ってた。」

『……へえ…』
改めてこんなことを思った本人(つまり折原先輩)じゃない人に言われても、照れてしまう。

し「あ、Aちゃん照れてるやろ？」

『えっ…。別に照れてるわけじゃ…』

し「ふふ、バレバレやでー？」
そう言っていたずらっ子のように笑う彼は、子供っぽくもあり、少し妖艶に見えた。
気づけば私の顔は真っ赤だった。
そんな私を見て、彼は「あー、また照れてる！！」と軽くバカにしてくるのだった。

そこから雑談をし、気づけば日が変わる時間ギリギリまで飲んでいた。

『そろそろ日が変わっちゃうのでお開きにしましょうか。』

し「そやね。今日はありがとうな。」

『いえいえ。また話せたら嬉しいです』

し「そやなー！また誘うわ！」
『待ってますねw』

そんなこんなで別れると、目の前が真っ暗になった。

『(あ、やばいっ…)』
人にぶつかってしまったらしく、直ぐに謝った。
『ご、ごめんなさいっ！』

？「え、A！？」
聞き覚えのある声に、思わず顔を上げると、そこには折原先輩がいた。