君を守るその為ならば

2　千年樹への願い ページ4

この村には千年間生き続けた大木・千年樹森の奥で密かにそびえ立っている。

ヴェノム「何度見てもでかいな.....」

今日も土をぶっかけられたり、せっかく採れた野菜などをぶつけられたため薄汚れているので、大木には触れない。(いじめるいじめない以前にせっかく採れた野菜を食材として使わないのはどうかしてると思う)

この木を汚そうもんならとんでもない祟りが起こりそうだ。

俺は木のすぐ近くに跪き、神に願いをかけた。

ヴェノム「神様、私には友達がいません。私は生まれたときから、虐げられ、蔑まれてきました。幼い頃はどうしてこんな目にあうのかわかりませんでした。でも成長するにつれ、私の黒髪は、この国では受け入れられないものなんだと気がつきました。『お前は悪魔の子』と罵られ、焼けた十字架を押し付けられたこともありました。」

独白は続く。

誰からも愛されることのなかった男の独白。

ヴェノム「神様、私はあなたが存在するとは思えません。しかし、もしも存在するのなら......」

頬に涙が伝う。

薄汚れた頬を洗うように、もっと汚すように、頬は濡れていった。

ヴェノム「誰でもいい......誰かに私を、愛してほしい.......」

俺が今まで秘めてきた願い。

それを今初めて口に出した。


神なんていない。

そう思っていたのに、祈りを捧げた。


叶うはずのない願いなのだから、諦めよう。
そう思って涙をぬぐい、俺は千年樹を後にした。

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