19 紅茶とパン ページ23
俺達は部屋のなかに入れられると、紅茶とパンを差し出された。
老夫「粗末なものですが。」
「いえ、ありがとうございます。」
Aは紅茶を一口飲むと、ふぅっと一息ついた。
老夫「あなたもどうぞ。長旅で疲れたでしょう。」
ヴェノム「えっ....あっ....どうも....」
初めてだ。こんなお茶を差し出されるのは。
予想外のことに思わずどもってしまう。
老夫「それでどうされたんです?こんな夜更けに。それに....アルゴス様とアリア様は?」
「それが......」
Aは一部始終を話した。
無理矢理結婚させられそうになったこと、窮屈な家から逃げ出したこと、そして、俺のこと。
それを聞いた老夫は「フロート村も地に落ちたな」と呟きながら頷いていた。
老夫「わかりました。A様も、ヴェノム殿もさぞ大変だったでしょう。こんなボロ宿でよければいつまでも泊まっていってください。」
その言葉に、俺は驚きを隠せなかった。
俺に、ねぎらいの言葉を?
なにかに間違いじゃないのか?
「本当!?嬉しいわ、ありがとう!」
老夫「さぁさ、今日はもうお疲れでしょう。部屋はどこでも空いているので好きなところをお使いください。」
「そうさせてもらうわ。行きましょう、ヴェノム。」
ヴェノム「あ、あぁ.....」
俺にとって、初めてのねぎらいの言葉だった。
きっと、普通の人からしてみれば「それがなんだ」の一言だろうが、俺にとっては違った。
初めてAと話したときとおんなじだ。
なんだか胸の奥が柔らかくなる感じで、頭がボーッとするようで。
言葉で言い表すのは難しいが、本当にそういうかんじなのだ。
俺とAの新しい生活は、こんなかんじでスタートした。
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壱加(プロフ) - 斎藤秋葉原さん» 頑張りまする!!(。uωu)♪ (2021年2月6日 9時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤秋葉原(プロフ) - 合格おめでとうごさいます!更新頑張ってください!!! (2021年2月6日 7時) (レス) id: 7601600ca4 (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - 斎藤秋葉原さん» うわああ〜!ありがとうございます(;ω;)ただいまです☆今日結果が返ってきて合格してました!!!!!これからも更新頑張るのでよろしくお願いします! (2021年2月5日 17時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤秋葉原(プロフ) - おかえりなさい、受験勉強お疲れ様です!合格していることを願っていますね!!更新ありがとうございます!! (2021年2月5日 17時) (レス) id: 7601600ca4 (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - 斎藤秋葉原さん» こんな自己満ですっとろい更新の話にお付き合いありがとうございます(;ω;)笑えない馬鹿なので受験勉強頑張らないとですw今後もよろしくお願いします! (2020年8月10日 7時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱加 | 作成日時:2020年5月30日 13時