43 契約 ページ46
エイトフットside
あいつが居なくなって数週間後。
みんな心の傷が癒えてきたようで、少しずつではあるが、あの騒がしさがハイタワーに戻ってきた。
俺は結局、あいつに何も出来なかった。
ただ、苦しめる事しか出来なかった。
あいつがどうしてここに居たのかとか、そういうのはもうどうでもいい。
ただただ、あいつのことをちゃんと見てやれなかった自分が一番憎い。
そう思ってベッドに横になっていると、アースラ様と連絡を取るためのアンモナイトが揺れた。
エイトフット「はい....エイトフットのジョーです」
アースラ「出るのが遅いんだよ！あんた、こないだ渡した書類は出来たかい？」
エイトフット「はい、まぁ。」
アースラ「よこしな。今すぐ私のところへ来な。」
そう言って切られると、俺は大きなため息をついた。
仕方ない。行くか。
荷物をまとめ、俺は深海へと向かった。
エイトフット「アースラ様、こちら書類の方です。」
アースラ「よろしい。これ、次の書類だよ」
なんなんだこの量は。
俺を殺す気か。
アースラ「そういや、Aが死んだそうじゃないか。あんたの恋人だったんだろう？」
エイトフット「な、なぜそれを.....」
するとアースラ様の口から聞いた言葉たちは、なおさら俺の心に罪悪感や後悔を産み出すことになった。
俺と居たいがために、契約を？
2ヶ月が、そんなに寂しくて？
アースラ「見ててかわいかったよ。そんなにも愛した人に尽くせるなんてねぇ。」
エイトフット「彼女を、取り戻す方法はないんですか？」
アースラ「こっちは命を奪うことは出来るんだけどねぇ。生憎生き返らすことはできないのさ。」
だよな.....それは一番俺がわかっていたことだ。
アースラ「だが....もう一度会える手段はある。」
エイトフット「！？そ、それって......」
アースラ「あんたの寿命を決めるんだ」
俺の、寿命？
ヴィランズは不死身の体......それをそうじゃなくするってか？
でも.....もう一度あいつに会えるなら.......！
エイトフット「俺の寿命を、決めてください」
アースラ「よし、いいだろう。なら、ここにサインしな。代償は、あんたの人生。666年後、あんたは死ぬ。そして、もう一度彼女に会えるだろう。どう会えるかは、知らないけどね。」
それでも構わない。
あいつだって命と引き換えに契約した。
彼女に会えるなら、もうなにも怖くない。
契約書に、サインをした。
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ももか(プロフ) - 感情移入してしまいとても辛く涙が出ました。 (2022年10月20日 22時) (
レス) @page50 id: f3e8da423f (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - 机の上の靴さん» コメントありがとうございます！最後はちゃんと笑顔で終わるっぽいので今のうちに泣いてください(((( (2020年5月28日 18時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
机の上の靴(プロフ) - いよいよ終わりが近づいてる気が...!!! なんか悲しいラストを迎えそうですね（ ; ; ）最後まで楽しみにしてます！！ (2020年5月28日 18時) (レス) id: da06bfb863 (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - あんかけさん» コメントありがとうございます！一応今のところブラックですが最後はちゃんと笑顔で終われるよう頑張ります！もう少しの辛抱です！ (2020年5月28日 18時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
あんかけ(プロフ) - 突然すみません（ ; ; ）このお話はハッピーエンドですか！？もう心が痛くて痛くて、、、 (2020年5月28日 18時) (レス) id: 5943b818e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：壱加 | 作成日時：2020年5月20日 15時
