【ヴィランズ手下】あなたが居るならそれだけで

42　なんで言ってくれなかったの？ ページ45

ヴェールside

Aさんが死んだ。

その事を知ってしまい、なにも手がつけられなかった。

Aさんが一体何をしたというんですの？
彼女はなにもしていませんわ......
こんなの絶対におかしいですわ.........！！

Aさんは昨日少し辛そうにしていた。
あの時私が言葉をかけれていたら。
私がもっと彼女を見ていたら。

悔しさでまた涙が出そうになる。

少し気分転換に、散歩にでも行きましょう......

まだ人間の居ない早朝の夢の国へ私は向かった。




マーメイドラグーン。

正直ここにはあまり来たくなかった。
彼女を思い出してしまうから─────

すると、向こうに海の前で立ち尽くす男性が居た。

あの方はたしか.....タコさんの......

オーシャン「A.......」

！？

どうして彼がAさんの名前を！？

ヴェール「ちょっとあなた！Aを知ってますの！？」
オーシャン「き、君は......」
ヴェール「質問に答えなさい！知ってますの！？」
オーシャン「知ってるもなにも......友達だったんだ......」

友達.......？

オーシャン「彼女はいつも苦しんでたんだ......一人で、誰にも言わずに.....ずっと、ずっと.....それなのに僕は.....」

苦しんでた？
いつも？

ヴェール「Aさん.....どうして私に言ってくれなかったんですの......！？」

また涙が溢れた。

オーシャン「君は.....」
ヴェール「Aさんの、友達ですわ......」
オーシャン「あのさ、きっとAが君らに苦しんでたことを言わなかったのは君たちを心配させたくなかったからだと思うんだ。これが、Aの最後のわがままなんだよ......きっと。」

そんな気遣いいりませんのよ.......Aさん.......！

泣いてもAさんは戻ってこないのに泣いた。

泣くことしか、今の自分を満足させる方法はなかった。

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