3 ヴィランズに ページ5
翌日彼の住処に行ってみたが、やはり彼の姿はなかった。
「やっぱり.....ね。」
帰ろうとしたその時。
???「お客かい?」
「ッ!?」
振り返ると、ふくよかな女の人がいた。
ジョーとおんなじ、8本の脚がついている。
「あなたは......?」
???「私は海の魔女・アースラだ。ジョーの親的な存在さ。」
ジョーの親的な......?
アースラ「ふぅん.....あんたがジョーの女かい。あの子にしちゃあ随分と控えめな子を選んだもんだ。」
すると、アースラは私を見るなり不適に笑った。
アースラ「あんたを見る限り、なにか悩みがあるようだね。あたしに話してごらん。力になってやれるかもしれないよ。」
「ほ、本当ですか!?あ、あの......私ジョーと2ヶ月会えないのが寂しいんです。わがままなのは分かってるし、それにこんなこと言ったらジョーに迷惑がかかっちゃう。それで私.......」
アースラ「なら、あんたがあの子と同じになればいいじゃないか。」
彼女の話に耳を疑った。
ジョーと同じに?どういうことだろう。
アースラ「あんたもジョーと同じヴィランズになるのさ。そうすりゃ永遠にあの子の側に居られるよ。人魚には寿命があるけどヴィランズにはないからねぇ......」
そうか.....私が死んだらジョーは......
アースラ「でもそれには条件がある。」
「条件?」
アースラ「あんたがヴィランズになればジョーの記憶からあんたは消える。」
「え.....!?」
アースラ「でもあんたがあいつに永遠の愛を誓わせればいいだけの話さ。悪い話じゃないだろう?」
「じゃあ....もし失敗してジョーが他の女に永遠の愛を誓ったら?」
アースラ「その時は.....あんたは海の泡となるだろう。要するに天国行きってわけさ。」
なんなんだこの究極の2択は。
でも.....その分希望もでかい。ジョーと永遠に一緒に居られる。
もう寂しい思いはしなくて済む...!!
「わかったわ。」
アースラ「なら、あんたの代償はあんたの人生ってことにしてあげよう。ジョーと結ばれればタダだ。感謝しな。あんたがジョーの女だから、特別だよ。」
「あ、ありがとうございます!」
アースラ「それじゃあこの薬を飲みな。でもその前にモルガナのところへ行くんだ。」
「わかりました。けど、モルガナって...」
アースラ「私の妹さ。あんたがジョーのところへ行くにはマスターヴィランズってのが必要なんだ。連絡はこっちから入れとくからこのまま行ってきな」
私は教えられた道を進み、モルガナのところへ向かった。
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ももか(プロフ) - 感情移入してしまいとても辛く涙が出ました。 (2022年10月20日 22時) (レス) @page50 id: f3e8da423f (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - 机の上の靴さん» コメントありがとうございます!最後はちゃんと笑顔で終わるっぽいので今のうちに泣いてください(((( (2020年5月28日 18時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
机の上の靴(プロフ) - いよいよ終わりが近づいてる気が...!!! なんか悲しいラストを迎えそうですね( ; ; )最後まで楽しみにしてます!! (2020年5月28日 18時) (レス) id: da06bfb863 (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - あんかけさん» コメントありがとうございます!一応今のところブラックですが最後はちゃんと笑顔で終われるよう頑張ります!もう少しの辛抱です! (2020年5月28日 18時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
あんかけ(プロフ) - 突然すみません( ; ; )このお話はハッピーエンドですか!?もう心が痛くて痛くて、、、 (2020年5月28日 18時) (レス) id: 5943b818e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱加 | 作成日時:2020年5月20日 15時