【ヴィランズ手下】あなたが居るならそれだけで

30　友達として ページ32

オーシャンに抱き締められ、私は自分が今どういう状況なのかの理解が難しかった。

「オーシャン......それって......」
オーシャン「君が困るのはわかってる......でも僕はもう我慢できないよ.....」

さすがのアホの私でも彼が何を言いたいのかわかった。

けど.....彼のその気持ちには応えられない。

好きでいてくれることはとても嬉しかったが.....私はジョー以外というのは考えられなかった。

「私は.....」
オーシャン「ごめんね、困らせちゃって.....忘れて。」

ぱっと私を離し気まずそうに目を泳がせるオーシャン。

オーシャン「ジョーとのこと......応援してるよ」
「オーシャン....ごめんね」

彼の優しさと、その優しさを踏みにじるような私の想いで私は頭がおかしくなりそうだった。


でも、もしも私がオーシャンを選べば私は消えずに済むのだろうか。

帰り道ずっと考えていた。

オーシャンは悪い人ではないし、一緒にいて楽しいと思える。
けどそれは決して恋愛感情ではなかった。

友達として、の感情だ。

そんな生半可な気持ちで彼の側にいる、というのは彼の告白を断ることよりも失礼だと思う。

ごめんねオーシャン......


「ただいまー」
ヴェール「おかえりなさい！あら？顔が少し赤くありませんこと？」
「えっ！？」
ジャック「ほんとだ〜！真っ赤！」
ダルメシア「りんごみたいだぞー！」
アップル「とても美しいりんごだな。だが......熱でもあるんじゃないのか？」

オーシャンに抱き締められただけでここまでとは......

「大丈夫！少し暑いだけだから！」
ホック「Aは暑がりなんだな。」
ファージャ「海の底は冷たいからとちゃう？あの蛸も前あぁなってたしな！」
エイトフット「それを言うな」

笑う時間。

あとどれだけ、私は笑っていられるのだろう。

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