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18 希望 ページ20

Aside

ハイタワーに戻ると、ヴェールマシンガン演説が始まった。
内容は私の歌に関するものだった。

昨日はヴェールだけがベラベラ話していただけだったが、今日はそこにホック、アップル、ジャック、ダルメシア(ダルメシアとジャックはあまり何を言ってるのかわからない)も加わっている

ヴェール「そしたらみんな拍手喝采でしたの!あんな光景めったに見られませんわ!」
ホック「あそこまで大きな拍手は見たことないな。」
アップル「昨日のように聞こえてきて聞くのとは大違いだった。生で聞いた方が彼女の歌声はいいものだったぞ。」

私は目の前でジョーとスキャターが並んで座っているため、一刻も早く部屋に戻りたかったが、ヴェールががっちり私の手を繋いでいるため不可能だった。

マルフィ「それは一度聞いてみたいものだね」
ファージャ「ウチも聞いてみたいわ!そんなすごいもん聞かんって選択はないやろ!」
ヴェール「ですって!Aさん!」
「えぇ......」
スキャター「Aさんの歌う曲がもう一度聞きたいです!」
ホック「同意見だ。」
アップル「もう一度歌を聞かせてくれないか?」

こういうおねだりに弱い私は仕方なく立ち上がり、どの曲にしようか考えた。

「じゃあ、1曲だけ。『円尾坂の仕立屋』って曲を歌いましょうか。仕立て屋の女性の嫉妬を歌った曲よ。」

私はスゥッと息を吸い込み、歌った。

この曲の女性は、嫉妬に狂ってしまった。
それは正しく今の自分である。

「『今日も仕事に精を出す』──────」

歌い終えると、心なしかすっきりした。

スカー「す、すっごく上手〜!でも.....なんだかびっくりする曲だったな〜!」
マルフィ「まさかの結末だったね。でも、彼女の歌声は本当に素晴らしい。とても美しい.....だろう?エイトフット.....ってえぇ!?」

マルフィの驚きの声に、私も反射的にジョーの顔を見た。

マルフィ「な、なんで君泣いてるんだい!?」
エイトフット「え......は?なんで.....」

もしかして.....

少しずつ私を思い出してる......!?

ファージャ「なぁ、どうやった?Aの歌!上手やと思わへん!?」
エイトフット「あ、あぁ.....いいんじゃねぇの。悪くないと思う」
「......!?!?!?」

前の記憶。




エイトフット「本当にお前は歌が上手いな」



あぁ、懐かしい。

彼はよく私の歌を褒めてくれた。


もう一度貴方が私を思い出してくれるなら、私はずっと歌い続けよう。

この身が朽ち果てたあとでも。

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ももか(プロフ) - 感情移入してしまいとても辛く涙が出ました。 (2022年10月20日 22時) (レス) @page50 id: f3e8da423f (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - 机の上の靴さん» コメントありがとうございます!最後はちゃんと笑顔で終わるっぽいので今のうちに泣いてください(((( (2020年5月28日 18時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
机の上の靴(プロフ) - いよいよ終わりが近づいてる気が...!!! なんか悲しいラストを迎えそうですね( ; ; )最後まで楽しみにしてます!! (2020年5月28日 18時) (レス) id: da06bfb863 (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - あんかけさん» コメントありがとうございます!一応今のところブラックですが最後はちゃんと笑顔で終われるよう頑張ります!もう少しの辛抱です! (2020年5月28日 18時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
あんかけ(プロフ) - 突然すみません( ; ; )このお話はハッピーエンドですか!?もう心が痛くて痛くて、、、 (2020年5月28日 18時) (レス) id: 5943b818e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:壱加 | 作成日時:2020年5月20日 15時

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