14 私なりの慰め方 ページ16
男の子の泣き声がする方に行ってみると、男の子はわんわんと大泣きしていた。
「どうしたの？」
私は子供が好きな方なので声をかけてみる。
泣いてる子をかわいいなーって思う私は元々ヴィランズとしての素質があったのだろうか。
男の子「う、うぅ......僕.......僕......」
「落ち着いて話してごらんなさい。私は聞いてるわ。」
しかし、なぜか泣き声はヒートアップしてしまいさすがの私も苦笑いだ。
そこで、この子の母親らしき人が来てくれた。
母親「す、すみません....」
「いえ.....何があったんですか？」
母親「多分......まわりの親子を見て寂しくなっちゃったんだと思います。この子.....うちの本当の子じゃないので......」
このご時世そんな家庭があるのか、と私は驚いた。
泣かれるのは一向に構わないのだが、一応ここもレストランで、人の目がある。
泣かれるのは迷惑だ、という人もいるかもしれない。
「ねぇ、坊や。」
男の子「えぅ....?」
「生きてれば色んな別れがあり、色んな出会いがあるのよ。その出会いが、きっとあなたを癒してくれるはず。でも.....時にはあなたの本当の両親のことを思い出して悲しくなってしまうかもしれない。でもそんなときは、歌を歌えばいいのよ。」
昨日私が寂しいと感じたときにしたことだ。
彼にも、わかってほしい。
「あなた、歌は好き？」
男の子「うん......お母さんがよく歌ってくれた」
「なんて歌？」
男の子「『ぜんまい仕掛けの子守唄』......寝る前によく歌ってくれたんだよ」
その歌なら知ってる。
海の底でも有名で、ジョーが前に教えてくれた。
「そう......なら、悲しいときには歌ってみてね。お母さんの想いと、あなたの想いが1つになって、あなたの両親が側にいるって感じられるから.....」
私が歌いだそうとすると、ミスターがそれを制止する。
V「こんな隅で歌うんじゃなくて、みんなに聞こえるように向こうで歌ったらどうだ？君の歌はここじゃもったいない。」
ミスターにつられるがまま、中央の方まで連れてこられた。
「こんな大人数の前で歌うのは初めてだから緊張しちゃうな....ちゃんと側にいてね？」
そう男の子の頭をそっと撫でると、少し笑ってくれた。
この少年に、少しでも心に残ってくれたら。
少しでも彼の心を救えたら。
そう思い、彼の心に響くよう願って歌った。
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ももか(プロフ) - 感情移入してしまいとても辛く涙が出ました。 (2022年10月20日 22時) (
レス) @page50 id: f3e8da423f (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - 机の上の靴さん» コメントありがとうございます！最後はちゃんと笑顔で終わるっぽいので今のうちに泣いてください(((( (2020年5月28日 18時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
机の上の靴(プロフ) - いよいよ終わりが近づいてる気が...!!! なんか悲しいラストを迎えそうですね（ ; ; ）最後まで楽しみにしてます！！ (2020年5月28日 18時) (レス) id: da06bfb863 (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - あんかけさん» コメントありがとうございます！一応今のところブラックですが最後はちゃんと笑顔で終われるよう頑張ります！もう少しの辛抱です！ (2020年5月28日 18時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
あんかけ(プロフ) - 突然すみません（ ; ; ）このお話はハッピーエンドですか！？もう心が痛くて痛くて、、、 (2020年5月28日 18時) (レス) id: 5943b818e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：壱加 | 作成日時：2020年5月20日 15時
