27 彼にとっての幸せ ページ29
玄関にいくともうジョーは待っていた。
「ごめんね、遅れちゃった？」
エイトフット「俺が早く来すぎただけだ。ほら、行くぞ」
なんだか、こうして並んで歩くの久しぶりだな.....
前はよく薄暗い深海を二人で泳いだものだ。
また、こうして並んで歩けるなんてな.....
幸せで顔が緩みそうになるのを必死に耐えながら、私はジョーに着いていった。
私たちが着いたのはマーメイドラグーンの中にあるお店。
ここの鮮やかさを見ると、オーシャンを思い出す。
あんな派手なスーツが似合うのは多分彼だけだろう。
エイトフット「なぁ、女ってのはどんなもんが好きなんだ？」
「え？」
エイトフット「女はやっぱり......ネックレスとかそういうのが好きなのか？」
「まぁ.....うん。」
ネックレスとかって.....一体何に使う気なんだろ......
ジョーは一生懸命貝殻のネックレスを眺めている。(かわいい)
「貝殻のネックレスといえば.....人間のとある国では貴族が求婚の時に女の人に渡す風習があるのよ。貝殻の種類によって男性のセンスが問われるんだって。」
エイトフット「へぇ.....そんな情報どっから仕入れたんだ？」
「ハイタワーの図書室にあった本で読んだの。それに出てきた男性はセンスがなかったらしいけど。」
エイトフット「生憎俺は人間界のセンスがあるかどうかはわかんねぇや。」
冗談混じりにいう彼に私は笑ってしまう。
久しぶりの彼との二人きりの時間に、私は幸せを感じていた。
エイトフット「けど、ありがとな。おかげで助かった。これでスキャターにも渡せる。」
え？
今、なんて？
スキャターのことを笑顔で話す彼。
それはもう、幸せそうに。
あぁ、もう私の入れる隙間はないのか。
悲しくなったが、幸せそうな彼の顔を見て少しだけ安心するような気がした。
たとえあなたが私の中の思い出の記憶と違ったとしても
彼が幸せならばそれでもいいのかもしれないと思ってしまいそうになった。
彼の幸せそうな笑顔を見ながら、私は唇をぎゅっと噛み締めた。
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ももか(プロフ) - 感情移入してしまいとても辛く涙が出ました。 (2022年10月20日 22時) (
レス) @page50 id: f3e8da423f (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - 机の上の靴さん» コメントありがとうございます！最後はちゃんと笑顔で終わるっぽいので今のうちに泣いてください(((( (2020年5月28日 18時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
机の上の靴(プロフ) - いよいよ終わりが近づいてる気が...!!! なんか悲しいラストを迎えそうですね（ ; ; ）最後まで楽しみにしてます！！ (2020年5月28日 18時) (レス) id: da06bfb863 (このIDを非表示/違反報告)
壱加(プロフ) - あんかけさん» コメントありがとうございます！一応今のところブラックですが最後はちゃんと笑顔で終われるよう頑張ります！もう少しの辛抱です！ (2020年5月28日 18時) (レス) id: 26cd84f321 (このIDを非表示/違反報告)
あんかけ(プロフ) - 突然すみません（ ; ; ）このお話はハッピーエンドですか！？もう心が痛くて痛くて、、、 (2020年5月28日 18時) (レス) id: 5943b818e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：壱加 | 作成日時：2020年5月20日 15時
