はちみつとレモン【短編集】 (ページ23)

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分かってないページ23

西洸人×わがまま彼女？

『私のことなんもわかってないよね。分かってくれなくてもいいけど、分かろうとしてくれてもないよね』

私の彼氏はダンサーをしていてバックダンサーとは言えど彼のファンもいるほど。

分かってる、自分がわがままだってことくらい

でも、私だけの洸人でいて欲しかったしそうであるとも思ってた

｢そんなんお前のわがままだろ｣

…そうだよ図星

でも付き合い始めた時言ったよね、私お前って呼ぶ人嫌いって

付き合って2年、もういい加減この関係を終わりにしてもいいのかな

そんな最低なことを考えてしまう私だっている

思い立ったら吉日。そんな言葉があるようにもう言ってしまおう

でも私には勇気がない

ダンサーというキラキラ輝く世界にいる彼と衣装を考えるデザイナーの仕事をしている私

生活リズムだって違うし、ツアーに着けば3ヶ月会えないなんてザラだから、少し会わないくらい平気だった

連絡はいつも私からしていたから私から連絡しなければ連絡は来ない

洸人と会わない時間を埋めるように私は仕事に没頭した

それでも自然とこの衣装合うだろうなとか考えてしまう私は末期なのだろうか

次の日、同じデザイナー仲間と気晴らしの飲み会に来ていた

周りに彼氏がいることは言ってなかったから気を使われることも無い。それが良かった

お酒は強い方だけど今日はさすがに飲みすぎたみたい

洸人と連絡を取り合わなくなって1ヶ月がすぎた頃の出来事だった

飲みすぎた私を会社の仲がいい同僚が家まで送ってくれた

家に帰ってシャワーを浴びて寝ようかと思ってた頃

電話がかかってきた洸人から

無視していると玄関のインターホンがなる

誰かを確認せずに出るとそこにいたのは洸人だった

慌ててドアを閉めようとするけれどやっぱり彼の方が力が強くて簡単に部屋に入り込んでしまう

｢ねぇ、さっきの男誰｣

え、見てたの、いつからいたんだそしたら

『会社の同僚だよ』

｢なんで送って貰ってんの｣

『飲みすぎたから』

｢なんで俺じゃないの｣

そこまで言われて顔を上げると不機嫌そうにこちらを見る目とあった

｢明日香の彼氏は俺なんだから俺の事だけ見てればいいの。他の男に寄られてんなよ｣

『だって忙しいじゃん。私から連絡しなきゃ連絡してこないくせに』

｢かっこ悪い俺見せたくないからわかってよ｣

…そう言われて笑ってしまった

可愛いとこあんじゃん

これで簡単に許してしまうんだから相当惚れてるんだろう私は