はちみつとレモン【短編集】 (ページ15)

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瑠姫side

幼なじみはモテる

今日もまた告白されてたし、誰にでも優しいしファンクラブまである。まぁ俺もあるけど。

明日香に恋心を抱いたのはいつの頃だったか

もう忘れてしまった

今の関係が壊れるのが怖くて、勇気が出ない

彼氏でも作ってくれれば諦められるかもと思ったけど、こいつは頑なに彼氏を作らなかった

『瑠姫〜かえろ？』

瑠姫｢うん、あ、そうだ今日部屋行っていい？｣

『ヤダって言っても来るじゃん』

瑠姫｢まぁね、｣

そんな話をして教室を出ようとしたらクラスの男がまりなに話しかけた

｢明日香ちゃん、ってさ瑠姫くんと付き合ってるの？｣

『ん〜？付き合ってないよ、幼なじみ』

｢そうなんだ、じゃぁLINE教えてよ！｣

『ごめんね、もう少し仲良くなってからでもいいかな？』

上目遣いを無自覚にしてるから男も顔が真っ赤

やめろよ、俺の前でしかその姿見せないでよ

瑠姫｢明日香、帰んぞ｣

『あ、まってよ！ごめんね？またあした、バイバイ』

優しく笑ってやるからまた顔赤くさせて腹立つわあいつ

瑠姫｢なんで彼氏作んないの？｣

『…ずっと片思い、してるから。』

瑠姫｢…ふーん｣

『聞いたならもうちょっと興味持ってよ！今日の瑠姫、なんか変だよ、熱あるの？』

そう言って俺の顔覗き込む姿が可愛くて

｢…好きだよって言ったらどうする？俺以外の男と喋んなって言ったら？｣

『…そんなこと聞くのずるいよ』

『私の好きな人、鈍感でね？ずっと好きなのに気づいてくれないの。馬鹿でしょ？笑』

ねぇなんでそんな事言うの、ずるいよ明日香の方が

瑠姫｢もう幼なじみ、卒業しない？｣

『私頭悪いからちゃんと言ってくれなきゃわかんない』

瑠姫｢…好きだって言ってんの明日香のこと｣

『…っ』

瑠姫｢なんか言えよ｣

顔を赤らめて俯くから、いじわるしたくなって正面に行って

瑠姫｢俺も馬鹿だからちゃんと言ってくんなきゃわかんないよ？｣

『…好きだって、言ってるの…』

なんて小声で言うから可愛くてふっと鼻で笑うと

『なんで笑うの！バカ瑠姫』

ってネクタイを引っ張られた

一瞬重なった唇

『責任取ってよね、』

｢…仰せのままに、お姫様｣

初恋は叶わないものだと誰かが言っていたっけ

でもそれは違う

初恋は叶えるもんだ