はちみつとレモン【短編集】 (ページ2)

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特別な時間ページ2

金城碧海×不良後輩

学校でも目立つ方な私。なぜならこの学校の生徒会長だから。

周りには常に誰かいるし、先生からの信頼だってある。

そんな私はみんなに秘密にしていることがある。

『はぁ…』

誰もいない屋上でタバコを吸うこと。

普段の私からじゃ想像がつかないだろう。

旧校舎の屋上は誰も来ないしどこからも見えない。

だから誰にもみられない。そう思ってた。

｢生徒会長さんも大変なんッスね｣

ビクッとして振り返ると、そこにはブレザーの下にパーカーを着た金髪くんがいた。

きっと彼も誰にも会いたくなくてここに来たんだろう。

あーあ見つかっちゃったなぁと思ったけどなんだか隠す気にもならなくて。

『まぁね。世の中いいことなんてないし。学校なんてつまらないから。』

…なんで初対面相手にこんな話してんだ。

｢じゃぁ俺とふたりのヒミツ｣

そう言って近づいてきた君は私の唇に自分の唇を重ねて。

『…っは？』

1人困惑していると

｢明日から俺のために学校に来て俺のために笑って。放課後はここで｣

じぁまた、と屋上を出ていこうとする名前も知らない君に声をかけた。

『ねぇ、不良くん。名前は？』

｢まだ教えねぇ｣

ニヤッと笑って、屋上から出ていった君

一体なんだったんだろう。

それでも大概楽しみになってる自分がいた。