ピアス【小山内理音】 ページ39
彼と一緒に出かけていたら、オシャレなピアスを見つけた。男女どちらでも使えそうなデザインで、彼とお揃いでつけれたらいいなと見ていたら
「おっ、このデザインいいな」
と、彼も同じものを見ていた。彼が私も気になっているのに気づいたらしいが、どちらもピアスホールは開けていなかったので残念に思っていると
「なぁ、これを機にピアスホール開けね？無理にとは言わねぇけど」
と言いながら、私の髪を耳にかけてくれる彼。その行動にときめいていると、余裕そうに笑った。そんなところが好きすぎる。彼からの提案に、お揃いでつけたいなと思った私は首を縦に振った。その後、そのピアスとピアッサーを買って家に帰った。
開け方を調べて準備をする間、私はずっとピアスを見ていた。今までピアスをつけたいとは思っていたが、痛そうだし怖いという思いが強く諦めていた。彼も、別にピアスをしたいと思ったことがなかったので、開けていないらしい。けれど、お揃いでつけれることが嬉しくてわくわくしていた。
「じゃあ、どっちからやる？」
「まだちょっと怖いから、私は後でいいよ」
「ん、わかった」
そう言いながら、私の前に座る彼。左耳を冷やし、消毒してから耳たぶに印をつける。ピアッサーを耳にあて、開けるねと彼に伝えると、いつでもいいよと言う彼。ガチャンと手元で音がして、彼の耳元を見ると上手くできていたので安心した。
「次はAの番な」
と言いながら私を座らせる彼。手際よく準備をする彼だが、私は正直怖くて仕方ない。いざ開けるとなると、やっぱり戸惑ってしまう。
「ちょっ、ちょっと待って。まだ怖い······」
「大丈夫だって、痛くしねぇから」
そう言う彼の言葉を信じ、彼の服の裾を強く掴み、目を瞑る。ふわふわと頭を撫でて落ち着かせてくれる彼の優しさにキュンとする。
「じゃ、いくぞ」
彼が怖くないようにと、カウントダウンしてくれる。
「5、4、3、2、1······」
すると、ちゅっと唇になにかが触れた。目を開けると彼の整った顔がすぐそばにあって、その瞬間、耳元でガチャンと音がした。
「ほら、大丈夫だっただろ？」
とニカッと笑いながら鏡を渡してくる彼。鏡を見ると、不意打ちのキスに思わず赤面している私がいて、右耳には綺麗にファーストピアスが開けられていた。
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黛(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！！これからも頑張っていくので、楽しんでいただけたら嬉しいです (2022年2月7日 7時) (
レス) id: 26e9e65c58 (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - すごく面白いです！頑張ってください！ (2022年2月7日 7時) (レス) @page42 id: 14f43f79f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黛 | 作成日時：2021年11月27日 17時
