【呪術廻戦】高専辞めたら先輩病んでた【男主】 (ページ34)

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三十四歩ページ34

その後、結局泊まっていった先輩は、
俺にメモだけ渡して帰って行った。

メモの内容は明後日、いや明日、
ここを立つこと。

もし着いて来てくれるのなら、
集合場所に来て欲しい、との事。

その場所や時刻が書かれていた。

俺はそのメモをポケットにしまい、
どうしようか悩み、ベッドに身体を沈める。

『着いていくか、行かないか』

先輩は、本当に呪詛師として活動しているんだ。

それに着いていくということは、
俺が呪詛師になるということ。

いや、高専にこのことを言っていない時点で、
俺はもうとっくに呪詛師なのかもしれない。

俺は、とっくに……

『……』

とっくに戻れないところまで来ていたんだ。

(私はね、

こうしてリスクをおかしてまで、

君と居たいんだよ)

(その＂どこか欠けている＂君に興味があるんだ。

そんな君に、

私にとっての＂存在意義＂を見出したんだ)

(私は他とは違う。

君が、必要なんだよ)

『俺を必要としているのは、夏油先輩だけ』

そうだ、何を迷っているんだ。

彼は俺を必要としてくれたじゃないか。

それだけで理由は十分だ。

『俺は』

ここで死んだように生きるよりは、

絶対にマシだ。

『俺は』

俺を必要としてくれる元で生きたい。

生きている理由が、意味が欲しい。

『夏油先輩に着いていく』

そしたらきっと、彼は俺を証明してくれる。

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バッグに必要なものを詰め込み、
最後に貰ったメモを確認する。

うん、ここからなら、
電車を使ってから歩いて充分間に合う。

『よし』

ちなみに会社には何も連絡していない。

結局あそこはブラックだったので、
急に辞めると言っても聞いてくれないだろうから。

いいんだ、これで。

ギィィッとドアを開ける。

『(あれ)』

ドアを開けると、視界に黒い靴が目に入った。

誰か目の前に立っている。

夏油先輩？

長く、黒い。

服も真っ黒で、目線を上にあげていくと、

白が目に入った。

＂包帯のようなもので目隠しをしている男＂

その立ち姿は、一般人のものでは無い。

直感でわかる彼は呪術師だ。

やばいっと思い、ドアを閉めようとする。

だけど、ガァンッ！と足を入れられ、

ドアを閉めれない。

ドクンドクン、

心臓がうるさい。

「みぃつけた」

そう懐かしい声が目の前から聞こえた。