【呪術廻戦】高専辞めたら先輩病んでた【男主】

十八歩 ページ18

『はぁ……』


ため息とともに白い息が舞う。


今日はいつもより帰りが遅かった。


やはり、どうしても今朝のことが頭に浮かんで、
考え込んで手が止まってしまうことがあった。


それに、同僚も心配したのか、
いつも以上に沢山声をかけてきたし、
それも時間ロスの原因の一つだろう。



まぁ……それほど彼は優しいのだ。




『……』




カバンの中から、何かが振動している。


ここ最近よく聞く音が聞こえた気がした。


俺はカバンの中からスマホを取り出す。





『……知らないよ…』





チカチカとつく携帯画面。



番号も相手が誰なのかも知らない。



ドクンドクンと心臓が煩い。




出るべきではない。




だって知らないし、迷惑だし、気持ち悪いし。




出るべきじゃない、はず。




でも、応答のボタンに近づく指。



少しの好奇心が俺をつき動かしていた。





『……もしもし』





あぁ、心臓が煩い。






「……」





『……』






無言。



ただ周辺の家から笑い声が聞こえた。







(…………ﾌﾟﾂﾝｯ)






『……今回はすぐ切れたな』




そう呟き、カバンに携帯をしまう。



相手は何を思って


俺に電話してきているのだろうか。



……ただ、阿呆なことだけはわかる。



俺に時間を費やすなら、
もっと他のことをすればいいのに。





『……はぁ』





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