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二十四歩 ページ24

家に着くと震える手で鍵をあけ、
先輩を中に通した。

部屋汚いかな、机になに置いてたっけ、
なんて考える暇も片付ける余裕すらない。



『適当に座ってください。
お茶出しますんで』


「悪いね」



本当にそう思ってる?と言いたいのを我慢し、
手に提げていたコンビニ袋をキッチンに置いて、
温かいお茶を入れる準備をする。

夏油先輩はきちんと座っていた。



…それにしても、まさか夏油先輩だったなんて。


…なんで、俺の後を着いてきてたんだろう。



いや、考えたって分からない。
直接聞かないと…。



用意したお茶をことんっと机に置く。




「ありがとう」




そう言うけど、彼は口をつけない。

俺は先輩の真正面に腰を下ろすと、
温かいお茶に口をつけた。

するとすぐに先輩が呟く。




「…まさか、零が高専を辞めて、
こんな田舎に一人暮らししてたなんてね」




「思いもしなかったよ」と続いて言った。

先輩は顎肘を着いて、じぃと俺を見る。


俺はと言うと、
それにどう返していいのか分からず、
その視線から逃れるように机を見た。


何となく気まずい。





『…』



「…ふぅ」




…そう黙っていると、先輩がふぅと息を着く。


少し呆れたような、
いや、諦めたような感じだった。




「…悪かったよ。
でも、私は君を怖がらせようとして
後をついてまわってたわけじゃないんだ。
ただ、確証が欲しくてね。君本人という確証」



『…じゃあ、確証あったんですね』



「まぁね、だって、視えてたから」




視えてた?

思わず、視線をあげる。

彼はとんとんと人さし指で自身の目元を叩いた。



「コンビニ」


『ぁ…』



そういえば、そんなことあったな。

店内にいた低級呪霊。

俺は祓うことなく、店を出たんだった。


そうぼんやりと思い出し、
同時にゾッと寒気がする。



なんで、それを知っているんだ?




「……言いたいことは分かるさ。
でも、今日は偶然だよ。私も君がいて驚いたさ」


『でも、コンビニからつけてきてたんですね…』


「…悪かったって。もうしないよ」




先輩はヘラりと笑うながら、しないと断言した。

それならいいんだけど…。

あれ、心臓に悪いし。



『…ところで先輩はなんでここにいるんですか?』

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- 続き待ってます! (9月18日 1時) (レス) id: 61fc42598e (このIDを非表示/違反報告)
ボブ(プロフ) - 更新待ってます。 (2022年7月12日 21時) (レス) @page36 id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
すめし - 好きすぎる、、、 更新頑張ってください!! (2022年3月17日 21時) (レス) @page36 id: b2ccf5b6d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえ - 続きが気になりすぎる…!! (2021年7月23日 21時) (レス) id: 13f7b558a6 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - 更新待ってます。 (2021年6月22日 14時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かるーあ | 作成日時:2020年12月27日 9時

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