【CS】十字架に祈りを【水面下の魔法戦争物語】 (ページ8)

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父神パン葡萄酒家族

嫌いなもの

魔法魔法界純血主義者

誕生日11月2日

キリスト教会にて正式に死者の日、または万霊節と定められている日。

全ての死者に祈りを捧げる日。

ローマ・カトリック教会では「The Commemoration of All the Faithful Departed」(信仰を持って逝った人全ての記念日)を正式名称とする。

彼女の血統は人間界のカトリック教皇※シモン・バル・セーデ・ヴァカンテの実の娘である。

実の娘ではあるが、ご存知の通りカトリック司祭はもちろん、当然ながら教皇には妻帯や過去の婚姻は認められていない。

つまるところ、彼女は存在を認められていない隠し子ということになる。

しかし、彼女の父シモンは幼い彼女とその弟を養子として迎え入れ、信心深い幸せな父娘として暮らせるようにと計らった。

彼女も弟も自らの父が実の父親であることは知らなかったが、三人は幸せに暮らしていた。

そう、ヨナが魔女であることが発覚するまでは。

ある日、幼いヨナがふと聖書に触れると、その聖書は発火し白い灰となった。

ヨナ本人は勿論、周囲の人間もその様子を恐れたが、シモンはそれを静かに諭し、怯えるヨナのことを励ました。

暫くして、コニキュラタに通うようにとの通達が魔法界から届くと、シモンはキリスト教会のトップでありながらもそれを容認した。

しかし、ヨナは自分が魔女であるという事実に深く傷ついた。

自らの信仰する神は自分の存在を認めることは無いのだと絶望し、自らのことを悪魔の子であると思い悩むようになったのだ。

そしてヨナが三年生になった年のウィンターホリデーに事件は起きる。

自らが悪魔の子であると思い悩んだヨナは自らの周囲に火を放ち、その“悪魔の子”を処刑しようと考えたのだ。

それに気がついて止めたのも、やはり父シモンであった。

燃え盛る炎の中に飛び込み踞るヨナを抱えあげ、そこから連れ出しこう言った。

「たとえお前が自らのことを悪魔の子であると思っていたとしても、私にとっては唯一無二の可愛い娘だ。神もまた、きっと信心深いお前のことを見ていてくださる。そう思い詰めるな」