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130話 時金仁那 ページ50

ゴッ!!!!

「ガッ!」

後頭部を思い切り殴られたAは気を失った
それから何時間か経った頃にAは目が覚めたの

「う……あれ?」

見覚えのある部屋に敷き詰められた畳の部屋に3人が横になっていたわ
Aは起き上がって2人の元に駆け寄ると気絶している2人を見てホッとしたわ

「とにかく…ここがどこなのか突き止めないと」

スマホのGPSを頼りに現在地を確認しようとしたらスマホを取られていた
それならと、部屋を出て行こうとしたら話し声が聞こえたらしいわ

『まさか、あの子達を生贄にか?』

『ああ、仁那様が特にA様を好んでいるらしいからな』

(仁那…!?)

聞き覚えのある名前にあの子は体が強張ったらしいわ…
その名前はあの子を恐怖に陥れるほどの人だから

安室「誰なんですか?」

蜜名「…時金…」

安室「え?」

蜜名「…時金 仁那(ときかね にな)…自分の事を“ニーナ”と呼ぶようにAに言ったらしいわ
幼い頃、親の都合で1カ月間仁那の元に厄介になっていた時期があってね…

その時に3人と過ごしていたのが時金家の跡取りが住む家だったわ
仁那は狂うほどにAを愛していたわ
それは誰から見ても狂っていたわ

「やだ!やめてよ!ニーナ!」

「だめだよー、僕のでしょ?A♡」

「いやだ!」

1カ月間…あの子はニーナに束縛されかけていたわ
それをいつも2人が助けていたから酷くはなかったけど…

安室「……」

蜜名「…仁那は狂ってるわ…毎日バラをあの子の枕元に置いていたり、お風呂に入る時も覗いていたり…あの子の身体を必要以上に触りまくっていたわ」

安室「…………(怒)」

だから仁那はAを生贄に選んだ

『仁那様はA様を狂うほど愛しておられるからな…』

『ほほほほ…あんな子を愛してどうなるやら』

「(なんだよ…ニーナの奴!僕の事を諦めるって)」

Aは仁那のストーカーのような行為に気が滅入っていたわ
だから、当時時金家のご当主に相談してAに近づかないように言って下さったわ

仁那は素直に聞き、それからストーカーまがいな行為はなくなったわ
当時の時金家のご当主が亡くなるまでわね

「お父様…」

「おじさん」

優しくしてもらっていた3人は酷く泣いていたわ
でも…仁那だけは

「…(クス」

笑っていたわ
まるで、「死んでくれてありがとう」と…言っているような顔だった
その場に私はいなかったけど、あの子達が話してくれた時背筋が凍ったわ

あの子は父親を殺したんじゃないか
そう思ったわ

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2018年5月24日 21時

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