129話 3人の過去 ページ49
安室「それでも聞きたいです。彼女を支えてあげたいんです。今もこれからも」
蜜名「…………」
蜜名は真っ直ぐ前を見る安室に微笑んだ
彼ならAを守ってくれるんじゃないか……と
蜜名「……今からあの子が10歳の頃だったわ」
〜12年前〜
当時Aは10歳、本当に優しくていい子だったわ
私が経営している園の中でも小さな子達の面倒をよく見てくれたいい子だったわ
私の両親とA達の両親は仲が良くてね、よく遊びに来ていたの
「じゃ、大人しく待っててね?」
A「うん!お母さんとお父さんも頑張ってお仕事して来てね!」
「んー!可愛い我が子達の為なら頑張っちゃう!」
「俺もだー!」
秋夜「今度はオレも父さんと仕事したい!」
凛夜「オレもオレも!」
「父さん大歓迎!」
絵に描いたように暖かい家族だったわ
でも、それが長く続くはずがない
蜜名「貴方も知ってるようにあの子達の両親は殺された…」
安室「えぇ…秋夜と凛夜から聞いています」
蜜名「それからよ…あの子達は親戚に引き取られる事なく、出て来たの…たった10歳の子供が1週間以上かけて…東京から静岡まで来れると思う?」
安室「あの3人ならできますよ」
蜜名「そうね…でもね、貴方は知らないわね……あの子達の悲劇を」
安室「まだ何か?」
蜜名「感情も消えて心も消えたあの子達はいつしか園のみんなと遊んでから園の子達にだけ笑顔を見せるようになったわ」
ーーーーー
ーーー
ー
「A姉ちゃん!絵本読んで!」
「いいよ!今日は何読もっか!」
「乙姫様!」
「浦島太郎だな!僕も読みたかったんだ!」
感情が戻り心も戻ってきた3人に私達は心底嬉しかったわ
部屋の隅で静かに天井を見上げ過ごす毎日を送っていたのに、いつの間にか遊んで笑顔でいるようになったわ
それから年月が経って3人が東京に上京してから…今から2年前ね
〜2年前〜
「?、なんだこれ」
平和に暮らしていた3人の元に1通の茶封筒が送られてきたわ
中身は3人が小さな頃の写真から今までこの写真
どれもカメラ目線じゃなくて、明らかに盗撮されたものだったわ
「気持ち悪い」
「警察に届けだすか」
「そーだな、目暮警部に出したら大丈夫だろ」
その時は3人してあまり茶封筒を気にしていなかったわ
でも…
「ただいまー」
Aが買い出しから帰って来ると家で留守番している2人の声がなかったの
「?秋夜兄さん?凛夜兄さん?いないの?」
Aは仕方なく靴を脱いで家に入ったわ
でも…入らなければよかった…あの時あの子は言ってたわ
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2018年5月24日 21時