無気力女は公安のエース…？3 (ページ42)

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122話水たまりページ42

ベルモット「ま、まさなAなの？」

安室「…えぇ」

ベルモット「ど、どういう事！？」

普段は冷静のベルモットがここまで動揺するのは珍しい
安室は知らせるべきか迷ったが全てを話した

安室「記憶喪失です…僕の事はおろか、自分の名前を覚えてないそうです」

ベルモット「そ、そう……」

ショックのあまり声が出ていないベルモットに安室は畳み掛けた

安室「すみませんが、僕は彼女の記憶を取り戻す為に行かせてもらいます
彼女の記憶が戻れば組織の仕事をしますので、ジン達にうまく言っておいてください」

ベルモット「わかったわ……」

ガチャッとドアを開けて、くれぐれもあの子を傷つけないで、と言い残してベルモットは去った

安室「わかってるさ…僕の大切な相棒だ…
必ず記憶を取り戻させてやる！」

アクセルを踏み込んでRX-7を爆走させた

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2日後、雨が降る中退院することになったAは風戸や看護師に見送られた
Aのそばには秋夜、凛夜、コナンが立っていた

風戸「Aさん、くれぐれも無理して思い出そうとしないように、いいですね？」

A「(コク」

Aが頷くと風戸は凛夜と秋夜の方を向いた

風見「少しでも記憶が戻ったら連絡してください」

秋夜「わかりました」

凛夜「お世話になりました」

2人は風戸に頭を下げて秋夜の車に乗り込んだ
自宅に向かう途中、助手席に座った凛夜は何度も後部座席を振り返ってAに話しかけた

凛夜「俺達が上京してから住んでる街だ
見覚えないか？」

後部座席の窓から外を眺めていたAは前を向き無言で首を横に振った
そしてまた窓の方を向く

秋夜「ここが俺達の家だよ」

A「…？」

不思議そうな顔で二階建ての家を見る
暖かそうな外見に真っ白な外壁だ

車を降りた凛夜が後部座席のドアを開けると、秋夜が「濡れるから」と差していた傘をAに向けた

座席から腰を浮かせて車を降りようとしたAはハッと目を見開いた
すぐに座席に戻り自分の体を両腕で抱きしめるようにして震える

秋夜「どうした？A」

声をかける秋夜のそばで凛夜は道路を覗き込んだ
すると、Aが降り立とうとした辺りに水たまりができていた

凛夜「水たまりが嫌なんだろう
佐藤刑事が撃たれた時も水がたまっていたからな…もう少し前に出す」

秋夜「あ、ああ」

凛夜が扉を閉めて運転席に戻って車を前に進めた
後部座席に座ったコナンは隣で体を縮こませてガタガタと震えているAを心配そうに見つめた