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121話 感情とは何か ページ41

蘭「安室さんによく似てる人?」

安室「えぇ、僕によく似てる人と毎日遊んでいたとね」

蘭「でもAさんは」

蘭は本人の口から聞いた過去を思い出した
とてもじゃないが友達と遊んでいるような過去ではないのを聞いていてわかったのだ

ドレス選びに付き合ってくれた彼女は、無意識のうち自分の過去を話していた
ただその話を園子と聞くしかなかった蘭は強く印象が残っていた

安室「蘭さん、人には表と裏があります
君が見ているのは澄み切った表の部分です
彼女は、いつもその表も裏も隠しているんです

友達である僕も彼女の表と裏を見た事がありません
彼女は友達でも気を許す事はなかったんです
学校でも家族の前でも…隙を見せない彼女は自分の精神を鍛えてました

でも、彼女は多くの事を大人になってから学んだんです
本当なら子供の頃や君のような年頃に学ぶはずだった多くの事をね…

彼女は周りよりも学習時間がなかった
それは君が知っている通りの過去のせいです
誰からも必要とされない環境で育った彼女は、自分の感情を全て押し殺した

押し殺してから彼女は笑顔や悲しいという気持ちがわからなくなった
今でもそれは残ってます
笑うとは何か、悲しいとは何か、怒りとは何か
彼女は毎日毎日考えてましたよ…」

安室はAに歩み寄ると頭を撫でた
Aの顔は辛そうで不安が入り混じっている顔だった

安室「長話をし過ぎてしまいましたね」

蘭「い、いえ!引き止めてごめんなさい」

安室はニコリと笑って彼女を頼みますと言い残して病室を去った
病室に残った蘭はAに向き直った

蘭(Aさんも辛いんだ…
無気力だって言ってても、本当は私達と同じ感情を持った人で、それをうまく表に出す事ができないんだ…)

病院を出た安室は愛車に乗り込むとエンジンをかけた

「バーボン」

安室「!!」

よどんだ顔を上げて車の外を見ると、プラチナブラ ロンドの女が立っていた

安室「ベルモット…」

ベルモット「久しぶりね…組織に最近顔を出さない貴方がなぜここに?」

安室「僕が働くポアロの常連が少しこの病院に厄介になっていましてね…少しお見舞いに」

ベルモット「あら、優しいのね」

助手席に乗り込んだベルモットはすぐにタバコに火をつけた

ベルモット「で?組織の仕事をそっちのけでその常連の為にわざわざ病院に来てるのかしら?」

安室「えぇ…なんと言っても貴方が大切にしている人ですから」

ベルモット「!まさか」

安室の言葉にベルモットはヒヤリとした

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2018年5月24日 21時

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