探偵の姉はゼロです2 (ページ38)

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蘭「大丈夫！お母さんが作るトコ見てたから！」

不安な表情の園子を安心させるように笑顔で答えた蘭は大丈夫と返した

お昼寝の時間、子供達は組み事に一列になって昼寝をし始める
全員が寝静まった頃、保育士は部屋を後にした

だが、1人だけ眠っていない子がいた
蘭だ

蘭はひょこっと布団から出て、ピンクの色紙を取り出した

蘭(えーっとたしか…最初は半分に折ってー…次はこのハシを…こう折って…そして…次は…次は…)

ポタポタと目から涙が溢れる

蘭(ガンバレ！あと少し…あと少しだから…)

静かにバッジを作る蘭

蘭(ここにこういうふうに…線を入れて…あとはこの通りに…切れば…できたー‼)

ちょきちょきとハサミで切り抜いた紙に笑顔になる蘭に2人の子供が声をかけた

「『オレ/私にも作ってくれよ…それ、サクラだろ？』」

蘭の前に両手をポケットに突っ込み、見下ろす男の子と蘭の目線に合わせるようにしてしゃがみこんだ女の子がいた

「違うのか？」

蘭「そ、そうだけど…どうしてわかるの？」

『どうしてって…』

「オメーオレと姉ちゃんをバカにしてんのか？」

少年も蘭の目線に合うようにしてしゃがんだ

「頭んトコに畳んである服に付いてるバッジ…この列みーんなサクラだろ？オメーの下の列のバッジは…みーんなチューリップだしよー」

蘭「でもでもそれだけで何でサクラを作ってるって…」

起き上がった蘭の頭を撫でた少女は蘭が切り抜いた紙を持ち上げた

『だってあなたの服にだけバッジ付いてないし…それに、これは四角い折り紙に10個の同じ大きさに折る折り方…それがこんな形に切り抜いてあるなら…広げたら絶ーっ対…サクラになるに決まってるじゃん！』

折り紙を広げるとサクラの形に切り抜かれていた
2人の推理は的中していた
蘭もびっくりしたのか、口を開けていた

「だからわかったんだよ！オメーがサクラのバッジなくしてビービー泣きながらサクラを作ってる…泣き虫だってな！」

少年は立ち上がり目を伏せながら言い放った
すると、ワーーッと子供達が目を覚ました

園子「すっごいね君、エスパーみたい‼」

「バーロ…エスパーなんかじゃねーよ…」

『少し考えたらわかるよ』

少年と少女は園子を見下ろした

蘭「私も泣き虫なんじゃないよ！」

「泣いてたじゃんか…」

蘭「泣いてないもん！」

「泣いてたよ！」

蘭「泣いてない‼」

『こらこら』