探偵の姉はゼロです2 (ページ25)

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風見「探偵…か…」

警察庁から軽やかに去っていくAの後ろ姿を見つめながら風見と降谷はレモンパイを頬張った
甘酸っぱくサクッとしたレモンパイに降谷は笑みをこぼした

降谷「うまい…」

風見「Aさんのレモンパイは初恋の味らしいですよ」

降谷「初恋？」

風見「ええ…弟君がレモンパイをよく好んで食べていたらしく、毎日作ってあげてたら、弟君がある少女に恋をしたのに気づいて…それから甘酸っぱい初恋の味になったらしいんです、それまでは甘さが控えめのレモンパイだったらしいですけど」

サクサクとレモンパイを頬張りながらAが教えてくれた事を話した風見に降谷は「ほお…」と口元を緩めた

降谷「つまりお前と工藤はそういう仲なんだな？「ゴホッ‼ゴホッ‼」…当たりか」

咳き込んだ風見に降谷は予想通りといった顔になっ

風見「お、お言葉を返すようですが降谷さん
私は彼女に恋愛感情なんて持ってませんが…それに、彼女のタイプ凄いハードル高いですよ？」

降谷「…聞いた事あるのかよ」

風見「ええ…確か、サッカーができて、バイオリンもできて…シャーロキアンで…まあ、とにかく自分と弟君を超える人じゃないとお付き合いは無理だって言ってましたね」

降谷(ブラコンか)

素直に心の中でツッコミ返した降谷であった
その頃、Aは

『……何、コレ』

自宅に戻ってみると、郵便受けに封筒が何十枚と投函されてきた
それらを指紋がつかないように手袋をはめて取り出し、家の中に入った

ガサガサと玄関の前で封筒を開けると、写真が何枚も出てきた

『っ⁉いや…っ⁉』

封筒の中にはいつ撮られたのかわからない写真が何十枚も入っていた
しかも、ここ最近のものも入っている

『な、何よコレ…』

バサバサと封筒を落とし写真が床に散らばった
散歩をしている時、ポアロでコナンと話している時、安室と仕事をしている時、買い物をしている時、終いには、警視庁に赴いた時の写真もある

幸い、警察庁に行っている時の写真はないが、それでも警視庁…つまり警察関係者である事はバレてしまっている

『キモッ…』

写真を見て顔を青くさせたAはコナンに報告しようとスマホを取り出した
すると、スマホがバイブした

ディスプレイには「非通知」と表示されていた
仕方なく、電話に出た

《こんばんは工藤Aさん》

気持ちの悪い男の声が玄関に響いた