探偵の姉はゼロです2 (ページ16)

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毛利「しかしなぁ…パワーウインドーって何か障害物に当たると完全装置が働いて止まるようになってんじゃ？」

『それは窓を上にスライドさせて閉める時の話ですよ…下げて開ける時には止まりません』

平次「それにな、運転席にはオートっちゅうボタンがあって…窓が全開するまで止まらへん仕組みになってるしなァ…」

忠田「けど兄ちゃん…姉ちゃんよ、その窓をどーやって開けさせたっつーんだよ？
俺は奴の車を後ろからパッシングで煽って抜いただけだぜ？」

下鳥「わ、私はその後2回クラクションを鳴らしただけですよ…1回目は群平さんの車の速度が落ちてぶつかりそうになったからだし…2回目は抜いたこの人の車を彼が追おうとしたから…」

溝端「どーでもいいけど私は関係ないわよね？何もしてないんだから！」

平次「いや…あんたスピード落としたやろ？」

溝端が何もしていないと主張するが服部がすぐに言葉を返した

平次「群平さんの前を走っとったあんたの車がスピード落としたから…群平さんも仕方なしにスピード緩めたんや…」

溝端「そ、そうだったかもしれないけど…それが何だって言うのよ⁉」

平次「前を走っとった知り合いの車が急に遅うなったら何かあったと思うやろ？そやけどその原因を聞きたい思ても運転中は携帯電話使われへん…せやから群平さんは追い越し車線に出てあんたの車の横につけたんや…」

『群平さんの車は外車であなたのは国内車、横に並んだら運転席が近くなるから…』

新一を気遣いながら帽子の下から溝端を見つめた

溝端「ちょ、ちょっと待ってよ！そこで私が群平に「窓を開けて」って叫んだとでも言うの？そんな声私出してた？」

下鳥「いや…」

平次「声なんかいらんで…横につけた群平さんに向かって…めっちゃ焦った顔で大声出すフリするだけで事足りるしなァ…」

高木「そ、そうか！それなら絶対に窓を開ける‼」

服部の推理に高木は納得した

佐藤「ええ！その声を聞き取るために確実に…」

毛利「なるほど…それで首が絞まりハンドルから手が離れ、運転手を失った車がそのスピードのまま…ガードレールに車体をこすりながら走り続けていたと言うわけか…」

佐藤「そうだとしたら窓を開けさせられるのは彼女しかできなさそうね…」

平次「まあ、このトリック仕掛けられんのも群平さんの女やっちゅうこの姉ちゃんしかおらへんで…」