387話 ノックの疑い ページ24
穏やかな海が夕暮れに染まる頃、シャッターが下された人気のない港の倉庫の前に、黒のポルシェ356Aと白のRX-7が停まっていた
シャッターが下りた倉庫の中には、鉄骨の後ろで手錠をかけられた安室と怜奈がいた
安室「我々にノックの疑いがかかっているようですね」
安室が言うと、投光器の前でタバコをふかしていたジンはおもむろに腰を下ろした
ジン「キュラソーが伝えてきたノックリストにお前達の名前があったそうだ」
安室「キュラソー……ラムの腹心か……」
安室が言うと、隣で手錠をかけられた怜奈が「ええ」と頷いた
水無「情報収集のスペシャリストよ」
ベルモット「知っているようね」
2人を縛り付けた鉄骨の近くで腕を組んで立っていたベルモットが微笑む
安室「外見の特徴は左右で目の色が違う、オッドアイ」
水無「組織じゃ有名な話よ」
安室と怜奈が答えると、鉄骨を挟んでベルモットと反対側に立っていたウォッカがニヤリと笑った
ウォッカ「昔のよしみだ、素直に吐けば苦しまずに殺してやるよ」
安室「……僕達を殺さずに拉致したのは、そのキュラソーとやらの情報が完璧じゃなかったから」
安室の言葉に、近づいてきたウォッカがピクリと反応する
安室「違いますか?」
安室はジンに向かって言った
ジンはタバコを吸う口の端をフッと持ち上げる
ジン「さすがだな、バーボン」
すると、ベルモットは腕を組んだまま安室と怜奈に近づいてきた
ベルモット「ノックリストを盗んだまではよかったけど、警察に見つかりら逃げる途中で事故を起こした……」
ウォッカ「挙句記憶喪失ときたもんだ」
ウォッカがそう言って肩をすくめると、怜奈がキッと睨みつけた
水無「じゃあキュラソーを奪還して、ノックリストを手に入れるべきじゃないの⁉」
怜奈が前に身を乗り出し、柱の後ろで手錠をかけられた手が激しく動いた
その左手にはヘアピンが握られ、素早く右手で伸ばしていく
水無「ジン! 我々が本当にノックか、それを確認してからでも遅くはないはずよ!」
怜奈に言われて、ジンはゆっくりと顔を上げた
ジン「確かにな だが……」
ゆらりと立ち上がり、横に構えた銃を2人に向けた
ベルモット「ジン!」
ウォッカ「あ、兄貴⁉」
驚いたベルモットとウォッカが前に出る
ジン「疑わしきは罰する__それがオレのやり方だ」
ジンは冷たく言い放ち、加えたタバコを吐き捨てた
ジン「さあ、裏切り者の裁きの時間だ」
そう言うと足元に落ちたタバコを踏みつけ、グリグリとつま先をひねった
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サッカーバカ(プロフ) - *ひな*さん» ありがとうございます!がんばります! (2018年8月12日 7時) (レス) id: 7a8e0b57d6 (このIDを非表示/違反報告)
*ひな* - 遅くないですよ!大丈夫です!!更新楽しみにしてますね♪`∀´ (2018年8月11日 21時) (レス) id: 966379f9ef (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - *ひな*さん» ありがとうございます!更新遅くてすみません! (2018年8月4日 17時) (レス) id: 7a8e0b57d6 (このIDを非表示/違反報告)
*ひな* - が、頑張ってくださいね! (2018年7月30日 7時) (レス) id: 966379f9ef (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - けんPさん» 甘え方とデレ方本当にわかんないです、最後の方にもちょこっとデレ方入れようと思います デレ方本当にわかんない! (2018年7月18日 10時) (レス) id: 7a8e0b57d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2018年7月2日 22時