第42話 木暮くん ページ47
結局あの後、疲労からかグラウンドで少し眠ってしまったらしいA。
泥まみれになることなんて気にならないくらい疲れていたみたいだ。
もう太陽が昇りかけている。Aはジャージについた土を払って、漫遊寺へと向かった。
「…あれは……」
漫遊寺に戻ると、まだ早朝だというのにフィールドからボールを蹴る音が聞こえた。
校内のフィールドで、小さな少年と運転手の古株がボールを蹴り合っているのが目に入ったAは、そのそばで様子を見守るマネージャーの音無の元へ歩く。
「古株さんってサッカーできたんだな」
「田頼さん…ってすごい泥！」
「はは、汚くてごめんね」
頭を掻いて笑うA。
音無が見守るよくわからない組み合わせの2人の様子を、好奇心でAも見守る事にした。
音無が木暮くんと呼ぶその少年は、古株から必死にボールを奪おうと追い掛けるも、どうやら一度も勝てていない様子。
「木暮くんって子はサッカー部なのか？」
「らしいですけど…その素行の悪さから練習に混ぜてもらえてないみたいなんです」
「へぇ…」
「あの子ほんとにサッカーやったことあるのかしら…田頼さんはどう思います？」
「うーん…動きは悪くないんじゃないかな。体の小ささを活かしたキレもある…」
「キレ、ですか…」
「おっ、今のボール取りかけたぞ！」
「惜しい〜！」
保護者のように2人を見守るA達。
「彼いいね…伸び代を感じるよ」
疲労など1ミリも感じさせないほどその動きに衰えが見えない木暮を見て、Aも少し感心しているようだった。
しばらくしてAは汚れたジャージを着替えようと踵を返すが、足元から何やら怪しい霧が立ち込めてくる。
「霧…！イプシロンか！！」
段々と濃くなっていく黒い霧から、先日白恋で目にしたイプシロンの面々が現れた。
その気配を感じ取ったのか、雷門イレブンと漫遊寺サッカー部達が続々と集まってくる。
不敵に笑う彼らの前に、鋭い目つきで漫遊寺サッカー部が立ちはだかった。
「何度言われても答えは同じです。私達は戦いません。」
あいも変わらず戦う意志のない漫遊寺。
「………ならば仕方ない」
「！？危ない！！！」
戦わない漫遊寺に対しての脅しなのか、イプシロンのリーダーの男が黒いボールを校舎目掛けて蹴り込んだ。
ボールの向かう先の校舎には何人か漫遊寺の生徒がいるのが目に映る。
ぶつかればひとたまりもない、と咄嗟にボールを追い掛けるA。
第43話 イプシロンと漫遊寺→←ちょっとしたお知らせ スルーおk
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ(プロフ) - 尊都さん» 尊都さんコメントありがとうございます😳そう言って頂けて嬉しいです；；本編の方にもバレンタインの話みたいな恋愛描写もう少し入れていきたいですね〜 (2月19日 11時) (
レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 司令塔タイプのイケメン大好きです🥺バレンタインのお話も最高でした💖お気に入りに追加しました！続き楽しみにしてます！✨ (2月18日 23時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - リポポプさん» リポポプさんありがとうございます~！気に入っていただけたようで嬉しいです🥺✨今どき無印の男主作品見てくれる方ってすごく貴重なので二度もコメント頂いちゃって感無量です、、🙇 (2月15日 12時) (レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
リポポプ - バレンタインストーリーありがとうございます😭😭素敵なお話すぎて心がときめきます、、、風丸さんとの絡み大好きです🥰🥰 (2月14日 16時) (レス) @page35 id: 35e98c7eb3 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あさん» おけですよ！！あの、あさんのボードに返事送りましたのでボード返事待ってます。 (2月9日 12時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あ | 作成日時：2024年1月24日 6時
