第32話 後半戦2 ページ36
「おい！俺にシュートを打たせろ！」
吹雪は我慢が苦手なようで、なかなかボールを寄越さないAに声を上げる。
そんな態度の彼を視界の端に捉えながら、Aは向かってくるジェミニストームの攻撃を器用にかわしていた。
「ははっ、もうちょっとの辛抱だ！染岡くん、左サイドから前へ！」
「おう！！」
Aの数歩後ろにいる染岡に前へ上がるよう指示を送る。
染岡が指定位置に着くまでの時間稼ぎとして、マッチアップしてくるジェミニストームたちをフェイントで翻弄。
Aの繊細な足捌きで次々と突破される敵の額には、うっすらと汗が滲み出していた。
そしてついに染岡と吹雪が同じラインに並んだのを確認したAが、吹雪のもとへボールを蹴る。
「…よし、いまだ！吹雪くん！！」
「ッ、おせーんだよ！！」
「ヤツを止めろ！！」
ボールを持った吹雪を警戒したレーゼが声を上げる。
立ちはだかるディフェンス陣を前にして、吹雪は突破を試みるかと思われた。
「来たな……！染岡ァ！！」
「ッ…おう！！」
「いいぞ、2人とも…！」
吹雪はジェミニストームのディフェンス陣を相手にする事なく、サイドに居た染岡にパスを送ったのだ。
「おらァ！！いけェ！！！」
吹雪に人員を割いたジェミニストームは、そのままフリーだった染岡にシュートを打たれてしまう。
今までの"ドラゴンクラッシュ"とは違う、凄まじい威力のシュートを打ち込まれたジェミニストームは、そのまま染岡にゴールを破られてしまった。
「よっしゃァー！！」
「よし…！」
ジェミニストームの失点を知らせるホイッスルを皮切りに、染岡の歓喜の雄叫びが響き渡った。
『決まったァー！！染岡の新たな必殺シュートが、雷門を同点へと導いたァ！！！』
「どうだ！決めてやったぜ！」
「よし！！やったな染岡！！」
「あの技はドラゴンクラッシュの進化版…"ワイバーンクラッシュ"と呼ぶべきでしょう！」
皆が染岡を囲んで喜びを分かち合う中、吹雪はその輪には入らず、1人その様子を静観していた。
「吹雪くん！よく染岡くんの位置を見てたね、いいクロスだったよ」
「ハッ、お前がそうしろって目で語ってたんじゃねーか」
「ふふ、2点目も頼むよ」
「任せとけ、決勝点は俺が決めてやる」
自信ありげにそう語る吹雪に目を細めるA。
そんな2人の様子をちらりと視界に映す染岡は、何やら考え込むような表情をしていた。
第33話 後半戦3→←番外編：Happy Valentine♡風丸の場合2
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ(プロフ) - 尊都さん» 尊都さんコメントありがとうございます😳そう言って頂けて嬉しいです；；本編の方にもバレンタインの話みたいな恋愛描写もう少し入れていきたいですね〜 (2月19日 11時) (
レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 司令塔タイプのイケメン大好きです🥺バレンタインのお話も最高でした💖お気に入りに追加しました！続き楽しみにしてます！✨ (2月18日 23時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - リポポプさん» リポポプさんありがとうございます~！気に入っていただけたようで嬉しいです🥺✨今どき無印の男主作品見てくれる方ってすごく貴重なので二度もコメント頂いちゃって感無量です、、🙇 (2月15日 12時) (レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
リポポプ - バレンタインストーリーありがとうございます😭😭素敵なお話すぎて心がときめきます、、、風丸さんとの絡み大好きです🥰🥰 (2月14日 16時) (レス) @page35 id: 35e98c7eb3 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あさん» おけですよ！！あの、あさんのボードに返事送りましたのでボード返事待ってます。 (2月9日 12時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あ | 作成日時：2024年1月24日 6時
