番外編：Happy Valentine♡風丸の場合2 ページ35
「大丈夫か？そんなに腹が痛かったんだな…気付かなくてスマン…」
「ち、ちがうんだ！その…ちょっと…ついてきて」
冬だというのにも関わらず、額に汗をかいて険しい表情のAを気遣う風丸。
どうやら腹が痛かったわけでは無さそうだ。
ショッピングモールを出て知らない道へ連れられる風丸は、ちらりとAの持っているオシャレな紙袋を一瞥した。
(まさか…な)
その中身が自分に渡されるチョコレートかも、なんて夢にもないことを思いつくが、流石に男同士でそんなことするわけないか、とすぐにその考えは払拭された。
人気のない道まで出たところで、Aの足はぴたりと止まった。
立ち止まったはいいもののなかなか振り向かないAに、"あの夜"の光景と重ねる風丸。
「……言いづらいことがある時、Aはいつもこっちを見てくれないよな」
「う…」
バツが悪そうに声を漏らすA。
おそるおそる、こちらを振り向く顔は今にも泣き出しそうなほど暗い。
「………これ、あげる」
「！」
少しの沈黙の後、紙袋を持った拳が風丸の前に突き出された。
震える骨ばったその手を、一回り大きい風丸の手が包み込む。
「…ありがとう。嬉しい」
「…！！」
礼を言うと、嬉しそうに赤く染まるAの顔。風丸はゆっくりと紙袋を受け取りながら、かわいらしくラッピングされた中の箱を見つめる。
「じゃあ、その、俺はこれで…」
「…待てよ」
袋だけ渡してそそくさとその場から逃げようとするAの手を、紙袋を持っていない方の手で掴む風丸。
「…あの、風丸く、」
「この中身、チョコなんだろ？」
「！………」
捕まえた手の先のAの顔が、無言でこくりと縦に振られる。
その無言の言葉を聞いた風丸は、するするとお互いの指を絡ませて、まるで恋人のように手を繋ぎ直す。
「わっ、な…風丸く、」
「俺の目を見て」
リンゴのように赤く染まるAの顔をじっと見つめる風丸。
Aの大きな瞳が、こちらをゆっくりと捉えた。
今まで見たことないほど恥ずかしがるAがおかしくて、つい目を細める。
「…あの日とは真逆だな」
繋がれた手が、どちらのものかわからない手汗でじっとりと濡れた。
ーーー
更新した本日の日付が2/14ということで、今のところ一番仲の良さそうな風丸くんで書き下ろさせていただきました。ハッピーバレンタイン！
面白いくらい手が捗りました。短編集も作ってみたいですね。
第32話 後半戦2→←番外編：Happy Valentine♡風丸の場合
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あ(プロフ) - 尊都さん» 尊都さんコメントありがとうございます😳そう言って頂けて嬉しいです；；本編の方にもバレンタインの話みたいな恋愛描写もう少し入れていきたいですね〜 (2月19日 11時) (
レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 司令塔タイプのイケメン大好きです🥺バレンタインのお話も最高でした💖お気に入りに追加しました！続き楽しみにしてます！✨ (2月18日 23時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - リポポプさん» リポポプさんありがとうございます~！気に入っていただけたようで嬉しいです🥺✨今どき無印の男主作品見てくれる方ってすごく貴重なので二度もコメント頂いちゃって感無量です、、🙇 (2月15日 12時) (レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
リポポプ - バレンタインストーリーありがとうございます😭😭素敵なお話すぎて心がときめきます、、、風丸さんとの絡み大好きです🥰🥰 (2月14日 16時) (レス) @page35 id: 35e98c7eb3 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あさん» おけですよ！！あの、あさんのボードに返事送りましたのでボード返事待ってます。 (2月9日 12時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あ | 作成日時：2024年1月24日 6時
