第2話 スカウト ページ4
「あ！おい、あれ雷門中だぜ！」
鮮やかな青色のジャージに身を包んだ少年達を見て、隣の友人が浮足立つ。
FFで見事日本一を勝ち取った、あの雷門中だろうか。
だとしたら何故うちなんかに、と小首を傾げるAの元へ、その集団はどんどんと近付いてくる。
「あなたが…田頼Aくんね？」
歩み寄ってきた集団の中のある一人の女性が、長髪をかき上げながらAの名を読み上げる。
自身の名を一言一句違わず尋ねられたAは、大人しく肯定の返事を返した。
「…田頼くんに、折り入ってお願いがあるの」
そう真剣な眼差しで話し出す女性の言葉を、Aはきょとんとした顔で聞き入れる。
まず彼女は吉良瞳子といって、今話題の宇宙人へ対抗するため結成された雷門イレブンの監督なのだと、そう名乗った。
それから、彼女はこう言った。
「雷門イレブンとして力を貸してほしいの」
「…え？」
中途半端に開いた口から、間抜けな音が零れ落ちる。
あの雷門サッカー部に、どうして俺なんかが…？
そう疑問を抱かざるを得ないAの顔は、露骨に怪訝な表情が現れる。
「過去の田頼くんの試合の評判は聞いているわ。司令塔でありながらも、まるで幽霊と戦ってるみたいだって」
そんなAを見兼ねた様に、瞳子が声を掛けた理由をつらつらと話す。
そんな奇怪な評判が…と少し恥ずかしくなるAをよそに、一人の少年が一歩前に出た。
「今の雷門イレブンには主要なFWが欠けてしまっていてな…チームに足りないものを、その攻守優れた能力でサポートしてほしいんだ。」
「俺は反対だぜ！今欲しいのはストライカーなんだ！司令塔が1人増えたくらいでどうにかなることかよ」
「やめろ染岡！」
染岡と呼ばれる少年と、鬼道と名乗る少年は、当の本人そっちのけで険悪なムードを醸し出す。
どうやら、全員に歓迎されているわけではなさそうだ。少しばかりの苦笑が、Aから滲み出る。
Aはその重い口を開くと
「ごめんな。力になりたいんだけど、妹を一人置いていくわけにはいかなくて」
そう、困ったように笑った。
自分が居なくなったことで、両親の矛先が彼女に向かうのなんてわかり切っている。
そんな家へ妹を一人残して行ってしまうのは、あまりにも忍びない。
「妹さんの面倒を見てくれる人は？」
「いない、です」
家庭の事を口走るわけにもいかず、そう瞳子に口ごもるA。
そんな彼に、彼女は思いついたように口を開いた。
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あ(プロフ) - 尊都さん» 尊都さんコメントありがとうございます😳そう言って頂けて嬉しいです；；本編の方にもバレンタインの話みたいな恋愛描写もう少し入れていきたいですね〜 (2月19日 11時) (
レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 司令塔タイプのイケメン大好きです🥺バレンタインのお話も最高でした💖お気に入りに追加しました！続き楽しみにしてます！✨ (2月18日 23時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - リポポプさん» リポポプさんありがとうございます~！気に入っていただけたようで嬉しいです🥺✨今どき無印の男主作品見てくれる方ってすごく貴重なので二度もコメント頂いちゃって感無量です、、🙇 (2月15日 12時) (レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
リポポプ - バレンタインストーリーありがとうございます😭😭素敵なお話すぎて心がときめきます、、、風丸さんとの絡み大好きです🥰🥰 (2月14日 16時) (レス) @page35 id: 35e98c7eb3 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あさん» おけですよ！！あの、あさんのボードに返事送りましたのでボード返事待ってます。 (2月9日 12時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あ | 作成日時：2024年1月24日 6時
