第22話 気の合うふたり ページ24
「風丸くん…横、いいかな」
「！あぁ…いいぜ」
円堂や壁山が食事の量に愚痴をこぼしていた一方、Aは既に着席していた風丸に話しかけていた。
断られるかと危惧していたが、二つ返事に安心したAはそのまま椅子に座って食事をし始める。
いつも通りのAの様子に不思議そうな顔をした風丸だったが、程なくして食事に手をつけ始めた。
お互い黙々と食べ物を口に運ぶ。
咀嚼している間の沈黙は、無駄に長く感じられた。
「………田頼はこの食事量でもあまり嫌がらないよな。いつもどのくらい食べてるんだ？」
何口か食事を口に運び終わると、意外にも風丸の方から他愛もない話題を投げかけてきた。
何から話そうか迷っていたAにとっては、とてもありがたい。
「うーん…普通にほどほどじゃないかな。風丸くんこそどうなんだ？」
「俺も普段あんまり食べる方じゃないんだけどさ…流石に今日の特訓のあとのこの量は物足りなく感じるよ…」
「風丸くんにそう言われたら俺も物足りない気がしてきちゃったなぁ…」
「お、俺のせいなのか！？」
「プッ、冗談だよ！」
口元に手をあてがいクスクスと笑うA。
今日の練習試合の雰囲気とは一変、何事もなかったかのような穏やかな二人の会話。
(…仲直りしたんだな)
2人の様子を見守りながらほっ、と胸を撫で下ろす数名の雷門メンバー達。
実はこっそりと2人のことを心配していたメンバーがいたようだ。
そんなことはつゆ知らず、"どこが筋肉痛"だとか"速く滑るコツ"などの会話に花を咲かせる風丸達。
2人は意外と気が合うようで、食事の時間が終わった後もしばらく談笑を続けていた。
「………それでさ、メイド喫茶に連れて行かれたときの円堂の顔が面白くて…」
「あはは！いいなぁ、俺もその場に居たかったよ」
「だろ？んでその後…」
夕ご飯の匂いが少しだけ残る夜の教室で、2人は沢山の話をした。サッカーの話や、そうでない話。
だが、ただの一度も今朝の練習試合でのことは話題に出なかった。
話に区切りがついたところで、ぼちぼち頃合いか、とAが立ち上がる。
「……そろそろキャラバンに戻るか」
名残惜しそうにそう言って風丸も立ち上がる。だがAは黙って首を横に振った。
「…少しだけ散歩しない？」
「！あぁ、いいぜ」
そう言って、2人は冷え切った夜空のもとに駆け出す。
誰も居なくなった教室で、切れかけたストーブがふっ、とともしびを揺らすのだった。
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あ(プロフ) - 尊都さん» 尊都さんコメントありがとうございます😳そう言って頂けて嬉しいです；；本編の方にもバレンタインの話みたいな恋愛描写もう少し入れていきたいですね〜 (2月19日 11時) (
レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 司令塔タイプのイケメン大好きです🥺バレンタインのお話も最高でした💖お気に入りに追加しました！続き楽しみにしてます！✨ (2月18日 23時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - リポポプさん» リポポプさんありがとうございます~！気に入っていただけたようで嬉しいです🥺✨今どき無印の男主作品見てくれる方ってすごく貴重なので二度もコメント頂いちゃって感無量です、、🙇 (2月15日 12時) (レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
リポポプ - バレンタインストーリーありがとうございます😭😭素敵なお話すぎて心がときめきます、、、風丸さんとの絡み大好きです🥰🥰 (2月14日 16時) (レス) @page35 id: 35e98c7eb3 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あさん» おけですよ！！あの、あさんのボードに返事送りましたのでボード返事待ってます。 (2月9日 12時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あ | 作成日時：2024年1月24日 6時
