第12話 震え ページ14
Aは戸惑いながらも優しく背中を撫でてやると、吹雪の体が微かに震えているのがわかった。
そんなに大きな雪崩でも無いのに、ここまで異常に怖がるのは何かワケがあるのだろう。
Aは人には色んな事情があることを知っている。
そんな吹雪にあやすように声をかけた。
「なぁ、大丈夫だよ。屋根の雪が落ちただけだ」
「……や、屋根の…」
Aの言葉で、膝に埋めていた顔を上げる吹雪。
視線の先には、言葉の通り校舎の屋根の積雪が一部分だけなくなっていた。
「なんだ…屋根の雪…か。ごめんね、こんなとこ見せちゃって。ありがとう…えっと」
「A。田頼Aだよ」
「ありがとう、Aくん」
そう礼を言い、Aに差し出された手を掴んで立ち上がる吹雪。
何かに怯えるような先ほどの表情とは打って変わって、普段のにこやかな吹雪に戻ったようだ。
「ナヨナヨしたやつだなぁ…ほんとにすごいストライカーなのか？」
「ああいうヤツほど、フィールドではとんでもないシュートを打ったりするんだ」
「ふーん……そういうモンか」
階段を降りる吹雪の背中を見つめながら話す塔子とA。
人は見かけにはよらない。そういうものだ。
一同は無事グラウンドに到着した。
Aたちは、数名を除いて白恋中の面々と雪合戦に勤しんでいた。
「うっ！」
雪玉が不意を突かれた風丸の顔面に打ち込まれる。
得意げな顔をした鬼道は土門に追撃を指示するが、風丸たちも負けていない。
「まだまだ！負けてられるかー！」
「疾風スノーボール！」
「ツインスノーボール！！」
それぞれの技名を文字って雪玉を打ち込む選手たち。
Aに至っては、"これも戦略だ"と言って投げ込まれる全ての雪玉を交わし続けていた。
「ふっ、フィールドの支配者の鬼道くんの実力はこんなものか！？」
「何だと…！？」
「我が秘技受けてみよ…グランドスノーアビス！」
「いいぞAー！」
Aはそう叫ぶと、切り裂いた異空間に大量の雪玉を放り込んだ。
そして異空間を介して相手陣地に投げ込まれる大量の雪玉。
流石に鬼道たちのチームもこれにはお手上げだったのか、Aの投げ込んだ雪に埋もれてしまった。
「「それは反則だろ！」」
「あちゃ…」
雪山から顔を出し叫ぶ土門や塔子たちに、やり過ぎたと舌を出して見せるA。
すっかり雷門に馴染んではしゃぐAに、マネージャーの夏未は保護者のようにくすりと笑ってみせた。
「ふふっ、すっかり雷門の一員ね」
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あ(プロフ) - 尊都さん» 尊都さんコメントありがとうございます😳そう言って頂けて嬉しいです；；本編の方にもバレンタインの話みたいな恋愛描写もう少し入れていきたいですね〜 (2月19日 11時) (
レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 司令塔タイプのイケメン大好きです🥺バレンタインのお話も最高でした💖お気に入りに追加しました！続き楽しみにしてます！✨ (2月18日 23時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - リポポプさん» リポポプさんありがとうございます~！気に入っていただけたようで嬉しいです🥺✨今どき無印の男主作品見てくれる方ってすごく貴重なので二度もコメント頂いちゃって感無量です、、🙇 (2月15日 12時) (レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
リポポプ - バレンタインストーリーありがとうございます😭😭素敵なお話すぎて心がときめきます、、、風丸さんとの絡み大好きです🥰🥰 (2月14日 16時) (レス) @page35 id: 35e98c7eb3 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あさん» おけですよ！！あの、あさんのボードに返事送りましたのでボード返事待ってます。 (2月9日 12時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あ | 作成日時：2024年1月24日 6時
