第11話 吹雪士郎 ページ13
「吹雪くんはやくはやく！お客さんが来てるんだよ！」
「…お客さん？」
廊下の奥から、はしゃぐ荒谷と妙に聞き覚えのある声が聴こえた。
「あれ！君たちは…」
「吹雪士郎って、おまえのことだったのか…！？」
そこには、先ほど雷門キャラバンに乗り込んできた謎の少年の姿があった。
あの数々の異名を囁かれた吹雪士郎が、こんな物腰柔らかな少年だったとは、誰が想像できただろうか。
「お前が熊殺しか！」
「あぁ…実物見てがっかりさせちゃったかな」
思わぬ人物の登場に染岡が声をあげるも、相変わらず穏やかな雰囲気で返答する吹雪。
「噂を聞いて来たひとたちは僕を大男だと思っちゃうみたいで…これが本当の吹雪士郎なんだ。よろしく」
「………フンッ」
吹雪に手を差し出されるも、染岡はバツが悪そうな顔をして教室を出て行ってしまった。
「染岡！」
「私に任せて！」
マネージャーの秋は、静止の声を無視してそのまま出て行ってしまった染岡の後を追って行った。
(染岡くん…彼が変わらなければ、雷門も変わらないだろうな…)
出て行った2人の背中を見つめるA。このチームの雰囲気のカギは、どうやら彼が握っているらしい。
その後、瞳子監督は吹雪と話をするためにグラウンドへと一同を呼び出した。
グラウンドへ向かう途中の階段を、寒がりながらも滑らないよう慎重に降りる彼ら。
転びそうになる面々を横目に、Aは手すりを使わずにすたすたと降りていく。
体幹やバランスには自信のあるAは、もう凍った道の歩き方をマスターしているようだ。
「君、全然滑らないね。雪道は初めてじゃないの？」
「ん？あぁ、初めてだよ。でももう慣れっこだね！よっ、と」
吹雪に自慢するかのように、2段飛ばしで階段を飛び降りるA。
初めてなのにすごい、と無邪気に感嘆する吹雪と談笑するA。
ーその時だった。
「…ッ！？」
「ん？」
どこか遠くから響く地鳴りのような音。
少しずつ近づいてくる地鳴りの正体は、雪崩だった。
皆がいる場所までは迫って来てはいなかったため、ほっとする一同。
近くの校舎の屋根から落ちた積雪が小さな雪崩になっただけであった。
「びっくりした〜！すごい勢いだなあ…」
円堂が雪崩を眺めながらつぶやく。
皆それほど気に留めなかったため再び歩き始めようとしていたその時。
「…っ、……！」
「ッ、大丈夫か！？」
Aの隣で先ほどまで無邪気に笑っていた吹雪が、膝を抱えて座り込んでしまっていた。
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あ(プロフ) - 尊都さん» 尊都さんコメントありがとうございます😳そう言って頂けて嬉しいです；；本編の方にもバレンタインの話みたいな恋愛描写もう少し入れていきたいですね〜 (2月19日 11時) (
レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 司令塔タイプのイケメン大好きです🥺バレンタインのお話も最高でした💖お気に入りに追加しました！続き楽しみにしてます！✨ (2月18日 23時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - リポポプさん» リポポプさんありがとうございます~！気に入っていただけたようで嬉しいです🥺✨今どき無印の男主作品見てくれる方ってすごく貴重なので二度もコメント頂いちゃって感無量です、、🙇 (2月15日 12時) (レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
リポポプ - バレンタインストーリーありがとうございます😭😭素敵なお話すぎて心がときめきます、、、風丸さんとの絡み大好きです🥰🥰 (2月14日 16時) (レス) @page35 id: 35e98c7eb3 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あさん» おけですよ！！あの、あさんのボードに返事送りましたのでボード返事待ってます。 (2月9日 12時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あ | 作成日時：2024年1月24日 6時
