第9話 北海道 ページ11
「あ、危なかったぁ…」
Aはそろそろ鬼道がキャラバンの方に向かったであろう頃合いを見て、脱衣所で着替えをしていた。
湯で温まったはずの顔が心なしか青ざめている。入浴中もどうやら気が気じゃなかったようだ。
服を着ようとしたとき、ふと腹の痣が目に入った。指でスッとなぞると、微かな痛みが走る。
痣の元凶であるあいつらの顔が脳裏に浮かんだ瞬間、煮え繰り返るような憎しみが湧き出た。
あいつらの顔を掻き消すかのように、同時にゆずの笑顔を思い出す。
握った拳に爪がギュッと食い込んだ。
「……こんなんじゃダメだ…もっと、強くならなくちゃ…」
誰にも聞こえない小さな呟きは、夜更けの空に吸い込まれていった。
翌日。
ついにキャラバンが白恋中に向けて本格的に進み出した。
北海道へと足を踏み入れたキャラバン。東京とはまるで違う寒さと景色に、一同は縮み上がっていた。
円堂を除いて。
「ひゃっほー！ついに北海道だ！！」
「元気だなあキャプテンは…」
犬のように喜ぶ円堂を見て微笑むA。なんだか彼を見ていると寒さも吹っ飛んでしまいそうだ。
その時だった。
バスが鈍い音を立てて急停止したのだ。
「どうしたんですか古株さん！」
「人だ…」
前方を見つめながら呟く運転手の古株さん。
気になった円堂が外へ出て顔を覗かせてみると、雪の中震え上がる少年が立っていた。
見かねた円堂は「乗れよ！」と気さくに少年に声をかける。
「あ、ぅあ、あ、ありがとう…！！」
今にも倒れてしまいそうなくらい震えた少年がバスに乗り込んできた。
そこから目的地の途中まで彼を送り届けることにした雷門イレブン一行。
「まだ寒い？」
「ううん、もう大丈夫…！」
いまだ震える少年に声をかける塔子。
後ろの席のAも、思わず謎の少年に声をかける。
「雪原の真ん中で何してたんだ？」
「あそこは僕にとって大切な場所なんだ……。北ヶ峰って言ってね」
「北ヶ峰ぇ？聞いたことあるぞ。たしか、"雪崩"が多いんだってなあ」
「…！………うん。」
古株さんの返された言葉で、途端に顔に影がかかる少年。
後ろの席のAはその様子を伺うことはできなかったが、何か違和感を感じることはできた。
「ところで坊主、目的地はどこなんだ？」
「…蹴り上げられたボールみたいに、ひたすら真っ直ぐに」
「いいなぁその言葉！！な、サッカーやるの！？」
「うん。好きなんだ」
「おれもサッカー大好きだよ！」
互いに微笑み合う円堂と少年。
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あ(プロフ) - 尊都さん» 尊都さんコメントありがとうございます😳そう言って頂けて嬉しいです；；本編の方にもバレンタインの話みたいな恋愛描写もう少し入れていきたいですね〜 (2月19日 11時) (
レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 司令塔タイプのイケメン大好きです🥺バレンタインのお話も最高でした💖お気に入りに追加しました！続き楽しみにしてます！✨ (2月18日 23時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - リポポプさん» リポポプさんありがとうございます~！気に入っていただけたようで嬉しいです🥺✨今どき無印の男主作品見てくれる方ってすごく貴重なので二度もコメント頂いちゃって感無量です、、🙇 (2月15日 12時) (レス) id: 6fef9200f8 (このIDを非表示/違反報告)
リポポプ - バレンタインストーリーありがとうございます😭😭素敵なお話すぎて心がときめきます、、、風丸さんとの絡み大好きです🥰🥰 (2月14日 16時) (レス) @page35 id: 35e98c7eb3 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あさん» おけですよ！！あの、あさんのボードに返事送りましたのでボード返事待ってます。 (2月9日 12時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あ | 作成日時：2024年1月24日 6時
