検索窓
今日:6 hit、昨日:14 hit、合計:53,094 hit

ペットショップラブモーション(ytym) ページ10






「いらっしゃいませーー」



明るい声で迎えられて、1歩足を踏み入れれば。



あちらこちらからたくさんの鳴き声が聞こえてくる。



駅前のショッピングモールに昔からある、このペットショップは、俺の憩いの場所だ。




小さい頃から、動物が大好きで。


嫌なことがあるたびに、ここに来て癒されていた。



特にお気に入りなのが、種族を超えた仲良し4人組?の



ネズミ、ネコ、ウサギ、イヌ



ペットショップの店員さんの話では、この4人の子たちは可愛いけれど、


なぜか売れ残ってしまっているそうで。




本当は飼ってあげたいし、俺も一緒に暮らしたい。

だけど、

俺には全員を飼ってあげる、なんてそんなお金はないから、


いつもただ眺めているだけ。





「…あれ?ウサギしかいない…」



隅のショーケースまで行くと、4人仲良く並んでいたはずなのに、

隣も、その隣も、空っぽ。


「あー、そのうさちゃん以外、飼い主さんが見つかったんですよ〜」



店員のお兄さんは軽く笑って、抱いてみます?と尋ねてきた。


こくん、と頷くと両手にふわふわの塊がのる。



きゅっと胸に近づけて抱くと、干し草の香りと、獣の香り……。




ぷぅ、ぷぅ……



小さく鳴いているうさちゃんは、まるで


『連れてって』

と言ってるように思えて。






クリクリの黒い瞳、

真っ白な艶のいい毛並み、

端正な顔立ち、



それらに釣られて……

「…うち、来る?」





思わず尋ねていた。



…!!ぷぅ…っ、!



鳴き声がさらに激しくなって、耳がぴくぴくと動く。





「ふふ…っ、そうだね、今日からうちの子だよ」




『ありがとうっ!ぼく、いい子にするからね…っ!』




うさちゃんがそう、話した気がした。







ペットショップラブモーション fin.


―――


ペットショップラブモーションのゆうとさんでした。


全然、話さないわ、これは。


他のみんなは誰に飼われってたのでしょう…?笑

ペットたちの報告会(ytym)→←保育園(arym)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
179人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:海月 | 作成日時:2020年5月2日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。