ペットショップラブモーション(ytym) ページ10
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「いらっしゃいませーー」
明るい声で迎えられて、1歩足を踏み入れれば。
あちらこちらからたくさんの鳴き声が聞こえてくる。
駅前のショッピングモールに昔からある、このペットショップは、俺の憩いの場所だ。
小さい頃から、動物が大好きで。
嫌なことがあるたびに、ここに来て癒されていた。
特にお気に入りなのが、種族を超えた仲良し4人組?の
ネズミ、ネコ、ウサギ、イヌ
ペットショップの店員さんの話では、この4人の子たちは可愛いけれど、
なぜか売れ残ってしまっているそうで。
本当は飼ってあげたいし、俺も一緒に暮らしたい。
だけど、
俺には全員を飼ってあげる、なんてそんなお金はないから、
いつもただ眺めているだけ。
「…あれ?ウサギしかいない…」
隅のショーケースまで行くと、4人仲良く並んでいたはずなのに、
隣も、その隣も、空っぽ。
「あー、そのうさちゃん以外、飼い主さんが見つかったんですよ〜」
店員のお兄さんは軽く笑って、抱いてみます?と尋ねてきた。
こくん、と頷くと両手にふわふわの塊がのる。
きゅっと胸に近づけて抱くと、干し草の香りと、獣の香り……。
ぷぅ、ぷぅ……
小さく鳴いているうさちゃんは、まるで
『連れてって』
と言ってるように思えて。
クリクリの黒い瞳、
真っ白な艶のいい毛並み、
端正な顔立ち、
それらに釣られて……
「…うち、来る?」
思わず尋ねていた。
…!!ぷぅ…っ、!
鳴き声がさらに激しくなって、耳がぴくぴくと動く。
「ふふ…っ、そうだね、今日からうちの子だよ」
『ありがとうっ!ぼく、いい子にするからね…っ!』
うさちゃんがそう、話した気がした。
ペットショップラブモーション fin.
―――
ペットショップラブモーションのゆうとさんでした。
全然、話さないわ、これは。
他のみんなは誰に飼われってたのでしょう…?笑
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作者名:海月 | 作成日時:2020年5月2日 14時