おもちゃ箱【×ym】 (ページ4)

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あの日の夜、俺は慧兄ちゃんの部屋に訪れた。

『慧兄ちゃん…、だいじょーぶ？』

『りょーすけ、もう大丈夫だよ！
…それより、りょーすけ、りょーすけも足大丈夫？』

…え、

驚いた。

あの時、実は俺も少しだけ足を捻ってしまったのだ。

だけど、誰も気づかず、

俺もこれ以上皆に心配をかけたくなくて、誰にも言えなかった。

なのに、慧兄ちゃんは気づいてくれた。

『…ごめんね、俺のせいで言いづらくなっちゃったよね…』

『別にそんなに腫れてないから、大丈夫だよ』

…嘘。

すぐに手当をすればよかったのに、ほっといた足は酷く変色していて。

ほんとは、歩くのもやっとだった。

…だけど、俺は慧兄ちゃんを守らなきゃいけないから。

弱い体じゃだめだから…。

もし、俺が弱くなってしまったら、きっと、皆は俺と遊んでくれない。

小さかったけど、俺は気づいてしまったんだ。

2人が慧兄ちゃんのことを好きだということに。

そして、それに気づいたときに、

俺のだいちゃんへのちいさな恋心はパリンと音をたてて割れてしまったんだ。

_______________好きだから守れるんだ。

そういうのって絶対あると思う。

好きでもない俺が怪我をしたら、迷惑にしかならない。

…だから、このことは俺だけの、

1人だけの秘密。

ちなみに足は捻るくせがついてしまったらしく、

よく軽く捻ってしまう。

ちねんに心配されるんだよねえ、これ。