おもちゃ箱【×ym】 (ページ26)

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Disappear（arym）ページ26

ytym表現あり

･

ピロン…ッ

_______________まただ。

暗い部屋の中。

恥ずかしがり屋の山田のために、電気を落として。

そっと、シャツに手をかけるタイミングで、まるで見ているかのようにスマホが光る。

そのたびに山田の視線はスマホに向いて。

俺のことなんて視界にうつさなくなる。

「…だいちゃん…ごめん…。」

「…うん。」

ああ、このセリフを何回聞いただろう。

何回同じ言葉を俺は吐いただろうか。

「出なよ……_________ゆうとからでしょ」

俺の返事を聞くと、ほっとしたように息を吐き、今度こそ俺をシャットダウンした。

_______________

山田と付き合い始めたのはつい2ヶ月前。

ゆうとに振られた、と泣いて泣いて。

泣き疲れて俺の家で寝てしまうこともよくあって。

いつか壊れてしまうんじゃないかと思った。

今その手を掴まないと、このままどこかへ行ってしまうんじゃないかと不安になった。

だから、山田に告白したんだ。

「…でも、俺、まだゆうとのこと忘れられないし…。だいちゃんと付き合っても…、傷つけちゃうだけだと思うの…。」

「それでもいいよ。山田のそばにいて、山田の痛みを誰よりも分かってやりたいんだ。…俺のわがままだから。」

必死になる俺を見て、小さくこくんと頷いた山田に俺の恋人になったんだ、という気持ちが少しだけ湧いたのも確か。

でも、ゆうとをのことを好きな山田を無理やり抱くなんてことも、キスするなんてこともできなかった。

そういう雰囲気になると山田はいつも瞳に悲しみを宿らせて、睫毛を震わせて。

その瞳を見たら、俺はどうしても次へ進めなかったんだ。