* ページ24
・
こっそり、部屋から出ようとしたらマッシュ男に捕まって頭を撫でられる。
…悔しいことに、こいつ、撫でるの上手いんだよな。
きもちぃ……。
「知 念、お昼買ってきたから一緒に食べよー」
…はっ!!
こいつのテクニックに騙されるとこだった。
このマッシュ男はちいを奪いに来たんだ。
「ほら、だいちゃん、涼介くんと遊んできな」
とっ、と男の腕から降り立ったフレンドリー犬は、俺のもとへ嬉しそうに向かってきた。
『よろしく!俺、大 貴。ちゃんにはだいちゃんって呼ばれてるよ!!』
にっこり笑っただいちゃんは優しそうだけど、ぐいぐい来られるのが苦手な俺からしたら少し怖い。
それでも挨拶は礼儀だもんね。
『よろしく、俺は涼介。』
『へー、涼介!可愛いね、名前まで可愛い!!』
『あ、ありがと…。』
『ねえ、涼介はなんの食べ物が好き?俺はね、ジャーキー!』
ああ、もう、だいちゃんとお話してる場合じゃないのに!
『それでさぁ、涼介!』
『涼介ー!遊ぼうよぉー!!』
俺がどこに行っても後ろから着いてくるだいちゃん。
無下に追い払うこともできずに、そのままにしているけど声がでかいから、ちいとマッシュ男を見張ることができない…。
『もお、だいちゃん、静かにしててよ!』
『むぅ、なにしてんのさっきから。』
不満そうな顔のだいちゃんに、ちいとマッシュ男を見張ってると伝えると
『…。見張ってんのはいいけど、あんまり見ない方がいいんじゃない?』
と言われた。
どういうこと、と聞こうとした矢先。
「ひゃあ…っ、いの、…っちゃぁ、」
「ちねん、可愛い〜。キスだけでとろとろだね…?」
『!?』
『あーあ…。』
な、な、な……!!!?
どういうことだよ!!
なに手ぇ出してんだ、このマッシュ!!!
とびかかろうとしたら、だいちゃんからグイッと止められて。
『なんで止めるの!』
『涼介がいくら知 念さんのことが好きでも、知 念さんはちゃんの恋人なんだから。…邪魔しちゃだめ』
どういうこと……?
ちいは俺よりマッシュを選んじゃったの…?
179人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:海月 | 作成日時:2020年5月2日 14時